生活圏内での“自然な出会い”と“お見合いでの出会い”との決定的な違いをご存じですか? それを理解していないから、婚活に失敗してしまうのです。 
 婚活ライターをしながら、仲人としても現場に関わる筆者が、目の当たりにした結婚事情を、さまざまなテーマ別に考えていく連載。今回は、「出会いの特性を知って、婚活を成功させる方法」について書きます。

素敵な男性。でも、どうしても気になることが

 先日、お見合いを終えた裕子さん(35歳、仮名)が、「今日の方は、お話ししていてとても楽しい方でしたが、気になるところがどうしてもあるので、結果をひと晩考えてもよいですか」と、LINEを入れてきました。この日、裕子さんがお見合いしたのは、大手メーカー勤務の洋介さん(36歳、仮名)でした。

「気になるところって、どこだったの? お電話で話しましょうか」とLINEを返すと、すぐにかかってきました。裕子さんは、言いました。

「予約席だったので私がティールームに行ったときには、すでに座って待っていらっしゃいました。私を見つけると、立ち上がって人懐っこい笑顔でご挨拶してくださったんです。“わぁ〜、感じのいい方だな”と思ったんです」

 そして、お見合いが始まりました。話のキャッチボールもすごく上手で、コミ力があり、とても楽しい時間が過ごせたといいます。ところが、ひとつ気になるところがありました。

「なぜが左腕をかばうような動きをするんです。私、左腕をケガされているのかと思って、『どうしたんですか?』とお聞きしたんですね。そうしたら、『生まれつき左の腕の骨が変形していて、うまく上げ下げができないんです』とおっしゃいました」

 とはいうものの、日常生活には何の支障もなく、車の運転もするし、ランニングが趣味で、フルマラソンに出場したこともあるのだとか。また、名のある有名私大を卒業し、大手の会社に就職しているので、年収も700万円ありました。

「お人柄もよさそうですし、兼ね備えている条件はとてもよい。でも、左腕の話を聞いて、もしこのままお付き合いに入ったとしても、腕のことが気になってしまうのではないかと。“交際希望”を出していいものかどうか迷っています」

 こうして裕子さんは、ひと晩考えた末に、「交際は見送りでお願いします」という返事を入れてきました。