子どもがいる男性との結婚は、イメージできない

 ある婚活パーティーに参加した聡美さん(39歳、仮名)は、3つ年上の正彦さん(仮名)と、マッチングしました。マッチングしたあと、正式にプロフィール交換をしたのですが、正彦さんはバツイチで、別れた妻側に中学3年生になるお嬢さまがいることがわかりました。

 そのことを知ると、聡美さんは困惑した表情で私に言いました。

「バツイチなのは、パーティーでおっしゃっていたので知っていました。でも、お子さんがいるのは知らなかった。バツイチは、気にならないのですが、お子さんがいるとなると、お付き合いしていいものかどうか、悩んでしまいます。

 夫婦は別れてしまえば他人ですけど、子どもの父親であるというのは、一生、変わらない。養育費も毎月お支払いしているようですし、結婚してこちらに子どもができたときに、“彼には、もう1人、別の女性が産んだ子どもがいるんだ”と思うと、ちょっと複雑な気持ちになると思います」

 結局マッチングはしたものの、連絡先の交換をする前に、正彦さんにはお断りを入れることになりました。お断りを決めたのは親の助言もあったようでした。

「親に相談したのですが、 母が、“恋愛で好きになってしまったのならしかたがないけれど、お見合いで子どもがいる男性を選ぶことはないでしょ”と。父もいい顔をしませんでした。私は周りや親から祝福される結婚がしたいので、今回はお断りをしようと思います」

 親は娘の将来を誰よりも心配しています。かわいいい娘には、なるべくいい条件の男性と結婚してほしいと願うものです。ご両親は、子どもがいる男性との結婚には賛成できなかったのでしょう。

この2つのケースが、生活圏内での出会いだったら?

 では、裕子さん、聡美さんが、それぞれの男性とお見合いや婚活パーティーではなく、生活圏内で出会っていたら、どうだったでしょうか? おそらく違った結果が生まれていたと思うのです。

 会社の同僚で同じチームで仕事をする男性、習い事が一緒で毎週、顔を合わせる男性、気の置けない飲み仲間でグループでの飲み会に参加すると決まって話をする男性‥‥。

 そうした生活圏内での出会いは、“恋愛関係になる”“結婚をする”という気持ちを、最初はまったく持っていません。会う回数を重ねていきながらコミュニケーションをとり、お人柄を知っていく。そこから、何か相手を好きになるきっかけがあって、恋愛に進展していく。そして、結婚へと進む。