――塙さん自身は内海桂子師匠に弟子入りしたことでいろいろ学んだんでしょうか?

 内海桂子師匠がいて、漫才協会の師匠がいて、ということになって、初めはバカにしていましたけど、割と厳しい人もいるし、いろいろ教えてくれるので、芸人としてこうしなきゃいけないっていうのを学びました。上座・下座がわかるとか、おごってもらった次の日には電話するとか。

内海桂子師匠には芸人としてのあり方などを教わったという
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 師弟には生産性とかそういうのじゃないものってあるんですよ。それが俺は結構大事じゃないかなと思うんですよね。3日あれば寿司職人になれるっていう話があったじゃないですか。それは別に寿司は作れるけど、そうじゃないんじゃないのかな、とは思う。3年間その師匠の下で修業したことが、後になって役立つっていうのがあるんじゃないかなとは思うんですよね。昔は師匠からめちゃくちゃ呼び出されたりしたっていうのが、結局はおいしいわけじゃないですか。

――ネタになるんですね。

そういう経験ってお金を払ってもできないじゃないですか。今はお金を払ったらできちゃう経験しかないから、お金で買えない経験をするべきじゃないかなと思いますよね。

テレビに向いていないのかもしれない

――ナイツの漫才は王道のしっかりした漫才だというふうに思われがちですが、塙さんがバラエティー番組に出たりするときには、割とその場の空気とか関係なく下ネタとか毒舌ネタをぶつけてくるようなイメージがあります。そういうことが塙さんが本当にやりたいことなのかなと思ったんですが、いかがでしょうか?

 そうですね。場の空気に合うようなことが言えないというか、言いたくないんですよね。やっぱり嘘になっちゃうんでね。嘘をつけないんだと思います。長い人生を生きてきて、たぶん150勝149敗くらいで、嘘をつかないでいるほうが勝ち星では上回っているんですよ。嘘をついちゃって「嘘つけ」って言われたことのほうが多いから。だから、そこはそんなに作ってないんですよ。でも、もしかしたらテレビとか向いてないのかもしれないですね。それはすごい思います。

――「向いてない」とまで思っているんですね。

『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)っていう番組に出たときに、あれってダウンタウンさんと坂上忍さんが酔っ払ってくるじゃないですか。それでテレビとしての大正解は、僕もベロベロに酔っ払って、松本(人志)さんに「松本さん、最近なんで漫才やってくれないんですか」って絡むことだと思うんですよ。だけど、その発想までいかなくて、普通に緊張して酒を1滴も飲まないで、ずっとシーンとしちゃったんですよ。

 それで坂上さんに「なんでそんなにテンション低いの? テレビってわかってる?」って言われて。あとから考えたら坂上さんの言うとおりなんですよね。でも、そんなことがわからないんだと思って、自分にショックだったんですよ。こういう能力って本当にないんだな、って。

 それはたぶんひねくれているからだと思います。内村(光良)さんからもすごい怒られましたからね。「お前はもうダメだ。ひねくれてるんだ」って。