マッキーこと槇原敬之が覚醒剤所持の容疑で、'99年に次ぐ2度目の逮捕となった。

 ピエール瀧、田代まさし、沢尻エリカと、もうイヤというほど薬物報道が立て続けに起こるので、情報番組のコメンテーターだって、話を振られても困るだろう。見ていて「薬物ネタ用のコメントが枯渇」している感さえあった。「あれほどの才能を持っていても一度手を出してしまうとやめられない……改めて恐ろしさを実感しますね」を繰り返すしかないのだろうか。

『カッパ発見!』や『マドンナ痔だった!』などの珍ニュースを提供する『東スポ』が逮捕の数週間前に、《次に逮捕されるのは『大物歌手X』》と予想し、見事的中させていたわけだが、記事中には《Xが"シャブ中"なのは業界で知られています。(中略) 使用歴は20年以上と言われているので、もうやめることは難しいんじゃないか》といったすごい証言まで掲載されている。

SMAPファンvs電グルファンが勃発?

 そんなマッキーだが、過去にも覚せい剤という“特に依存性が高い”とされている薬物で逮捕された過去があったにも関わらず、世間・スポンサーからの“圧倒的な信頼”を勝ち得てきたことがわかる。

 その証拠に逮捕当日、相次いで報じられたのが、「『ヒルナンデス』のテーマ曲はどうなる?」「『じゅん散歩』のテーマ曲はどうなる?」であり、きわめつきは「『関西テレビ』の社歌はどうなる?」といった問題であった。……社歌って。どれもよほどの信用がないと依頼しなさそうなもんだが、どうだろう。再犯リスクは考えなかったのだろうか。番組ではそれぞれテーマソングを差し替えて放送された。

 そして、目下世間を騒がせているのが、言わずとしれた大名曲『世界に一つだけの花』の行方について。

 アーティストの薬物報道で思い出されるのが、昨年のピエール瀧逮捕時に、電気グルーヴの楽曲が回収・配信停止になったことで起こった論争。いわゆる、“曲に罪はない”問題だ。

『世界に一つだけの花』といえば、SMAP解散時にファンによる“花摘み”と呼ばれる購買運動が起こり、地道な草の根運動により売上枚数が激増。ついには累計売上300万枚を達成し、ファンのすさまじい団結力を示したという、なにかとストーリー性に満ちた一曲である。それに、小学校の音楽の教科書にも掲載されているくらいなので“国民的名曲”といっても差し支えないだろう。

 ネット掲示板では「この購買運動の印税のせいでマッキーが薬に手を染めた」というとんでもない理屈を持ち出してくる輩もいるのだが、やはりショックを隠しきれないというSMAPファンの声も少なくない。早速、朝の情報番組では『槇原敬之容疑者(50) “世界に一つだけの花”秘話』なる企画が放送されている。意地悪な特集よのぉ〜。

 そんなこともあってか、すでにファンのなかには楽曲救済にむけた行動をSNSで発信している者もいる。

《何かをしなければ落ち着かないのでタワレコさんでさっそく花摘み》

《私はダメ元でビクターさんにメールかお手紙を書こうと思う。槇原氏の逮捕によるCDの回収、廃盤、製造中止等の措置を取らないでいただきたいこと。「世界に一つだけの花」の購買運動が、どれだけファンの心を支えていたか、そんな気持ちを含めて》

 またも強い団結力が生まれそうになっているのだが、もし願いが叶って発売・配信の停止がなくなるとするなら、「じゃあ電気グルーヴの楽曲はどうなるの? 全部聞けなくなってるけど」といった声が出てくるんじゃないだろうか。はたしてレコード会社はどういった判断をとるのか。マッキーの逮捕がファン同士の争いの火種になりそうな気配──。

 ちなみにSNSを見ているとすでに、《槇原容疑者 逮捕1週間前、報道番組に生出演 真っ白髭に歯はガタガタ》(デイリー)といった報道があったからか、

「歯がボロボロだから怪しいと思っていた」

「いや、歯ボロボロなのは昔からだから!」

 といった論争が始まっている。どちらにせよ失礼な話だろう。どんなテーマで争ってんだ。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉