遺品整理や空き家処分の費用も必要

「親世代は子どもに負担をかけたくないと言いますが、中にはしっかり仏壇を構えて親を供養したいと考える人もいるんです。どんな仏壇を購入するか家族で話し合ってほしいと思います」(山田さん)

 名古屋仏壇に限らず仏壇に故人を重ね、形見として設置する人もいるそうだ。

「お子さんたちがそれぞれ購入するケースもあります。“仏壇に声をかけると、そこに亡くなった親がいるような気がして1人じゃない、落ち着く”というご遺族もいました。仏壇は宗教的な意味合いだけではなく故人を偲ぶ安らぎの場へとも変わっているようにも思います」(山田さん)

株式会社鎌倉新書調査「第4回お葬式に関する全国調査(2020年)」より一部を抜粋。2020年2月、直近2年半以内に葬儀を行った(携わった)経験のある、全国の40歳以上の男女を対象にアンケート調査。有効回答数2000件。※の項目は実施者のみ回答。サンプル数が20人以下と少なかったため参考値。
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 お墓も必要。都道府県では高知県の平均金額が1番だったが地域別でみると関東地方が平均152万円と最も高い傾向にあった。地価が高いことも関係あるだろう。そのため都市部を中心にロッカータイプの納骨堂や遺骨を霊園や寺院が管理、供養する永代供養なども選択される。

 買うだけでなく、物を減らすことにもお金がかかる。

 遺品の整理は家の広さや家族構成、手伝ってくれる人の有無でも業者に頼む範囲や金額が変わるため元気なうちに手をつけたい。

 空き家処分で金額が高かったのが東北地方。核家族化で大きな家が不要になったケースが考えられる。次に高かった東京都内はそれに加え、地価や処分費用の高さも関係していることが推測される。

 相続にしても手続きが必要で、専門家の費用もかかる。

金額の地域差はフラットになっていくだろう

 地域で異なる葬儀や死後の備えにはその土地の宗教や歴史、文化などが影響しているがこれらは今後、失われる可能性があるという。

「葬儀も大きく変わる時期です。従来の考え方は通じなくなっていくと思います」

 家族葬など少人数規模の葬儀、オンライン中継についても実験的に行われているそう。小林さんは推測する。

「今後は全国で同じくらいの金額が基準となる可能性もあり、地域差もフラットになっていくことが考えられます。

 ランキングの金額はあくまでも参考にする程度で。終活はそれぞれの必要に応じてカスタマイズし、自分たちに合ったやり方や費用を家族で話してもらいたいです」