唯一の国内大会も辞退か……

隔離されている間、いっさい氷に乗れない。しかもシーズン中に、という状況は非常にまずいですね。海外の大会に参加するのは、そこがいちばんの問題点だと思います

 カナダに拠点を置くブライアン・オーサーコーチの指導を受けるのも難しい状況だ。

 では、国内の大会はどうだろうか。全日本選手権は四大陸選手権や世界選手権の選考会を兼ねているため、国内トップ選手が参加する。

スケート連盟からすれば、全日本選手権に羽生選手と宇野選手に出場してもらい、かつ無観客開催は避けたいところ。ですが、羽生選手はGPシリーズの辞退理由のひとつに、自分が出場することで“多くの人が移動し、集まる可能性がある”ことを挙げて、ファンへの影響を心配しています。そうなると、全日本選手権も羽生選手が出場するということになれば、多くのファンやマスコミが会場に押し寄せることは容易に想像できます。唯一の国内大会も、辞退ということになるかもしれませんね」(前出・スポーツ紙記者)

 GPシリーズにも全日本選手権にも出場しないとなると、日本代表の資格は確実に遠ざかる。しかしそこにも“逆転の目”があるらしい。

日本スケート連盟は9月2日に今シーズンの『国際競技会派遣選手選考基準』を発表し、その中でコロナの影響で参加しなかった選手を代表に選ぶ可能性を残しています。過去に実績のある羽生選手が選ばれる可能性はありますね」(同・スポーツ紙記者)

 しかし代表に選ばれたとしても、今シーズンの世界選手権開催国・スウェーデンの“ある問題”が羽生を悩ませる。

「2歳のころから気管支ぜんそくを患ってきた羽生選手は、“呼吸器系疾患の保有者はコロナが重症化しやすいとの情報もあるので、可能な限り慎重に行動したい”とコメントしています。コロナ対策として『集団免疫』という日本とは違う方針をとっているスウェーデンへの入国は、避けたほうが無難かもしれません」(同・スポーツ紙記者)

 週刊女性は'15年3月に、海外遠征時に航空機内で気圧の変化からぜんそくの発作を起こしたエピソードを報じている。連盟のドクターが同行するとはいえ、心配事は尽きない。

「8月25日に日テレ系の『news every.』にリモート出演した際、今年3月の世界選手権が中止になったことについて、“試合に出るのも怖かったんですよね”と漏らしていました」(羽生のファン)