フジテレビの女性アナウンサーがやっていた“美容室ステマ”疑惑。週刊文春が報道し、フジテレビは『バイキングMORE』など自社番組で取り上げ、

「ステルスマーケティングに該当する行為はないと考えております」

 と、局としての見解を示した。

フジテレビの対応は不快

 女性アナウンサーが人気美容室で無料サービスを受け、店のSNSに登場したり自らのSNSに投稿し、宣伝にひと役買っていたのではないかという疑惑。美容室側は「お互い“ウィンウィン”でやらせていただいてんで」と週刊文春に答えている。

フジテレビは女性アナウンサーに事情聴取をし、それを法務で検討した結果、ステマには該当しない、法的には問題ないという見解を示しましたが、問題はそういうところじゃないんですよね。特権をかざしている人間って今の時代、上から目線と同じくらい嫌われる。そこをわかっていないところがテレビ局としては致命的。せめて、視聴者に不快な思いをさせてしまって申し訳ない、というような低姿勢を示さないと、反発を買うだけ」

 そう指摘するのはスポーツ紙放送担当記者だ。

 一時期、よく使われた“ウィンウィン”という言葉。すっかり手垢にまみれた言葉で、最近では使う人が減ってきている。

「それは、言葉に潜む嫌らしさに気付いているからですよね。今回のケースで言えば、美容室と女性アナは確かに“ウィンウィン”でしょう。美容室は宣伝に使える、女性アナは通常なら2~3万円はするヘアスタイリングを特別価格でやってもらえる。両者が“ウィンウィン”になりますが、第三者が“ウィンウィン”の仲間入りすることはない。そこに一般の視聴者はズルさを感じるわけです」(前出・スポーツ紙放送担当記者)

 法的に問題があるかないかの前に、「こんなことをしたことが知られたら、視聴者はどう思うのだろうか」という世間の目。フジテレビの女性アナがそれを意識できていたら、週刊誌ネタになることもなかった。

〈取材・文/薮入うらら〉