投資で儲けようとしてはいけない!

「退職金を余裕資金だと勘違いし、投資につぎ込むのはNG。いわゆる『退職金投資デビュー』だけは絶対にやってはいけません」

 そう指摘する大江さん。退職金は決して余裕資金などではなく、老後の生活を賄うための大切なお金。仮に投資に失敗し退職金が半分になってしまったら、大変なことに。

「退職金で初めて投資を行う人は失敗する可能性が高いといえます。私が反対するのはそのためです」

 退職金投資デビューが失敗を招く理由は2つある。

「ひとつは、投資を甘く見ていること。退職金というまとまったお金を手にすると、一発当ててやろうなどと安易に考えがちです。もうひとつは、感情の抑制がきかないこと。株価などが上がったらうれしくなって買い増し、下がったら怖くなって売ってしまうというように、投資の鉄則とは逆の行動に陥ります。未経験かつ勉強もせずに成功するほど投資は甘くはありません」

退職後の投資は儲けを目的にしない

 といっても、投資そのものが悪いわけではない。シニア世代にふさわしい投資スタンスで臨むべきだという。

「投資は『儲からなくてもいい』と捉えてください。儲けに躍起になるとリスクは高くなり、かえって老後不安を引き起こす結果に。今後インフレになってお金の価値が下がったとき、それに備えられる程度にお金を増やせればいいという姿勢で臨みましょう」

 具体的な投資方法は?

「最も合理的なのは『つみたてNISA』や『個人型確定拠出年金(イデコ)』の制度の活用です。これを使い、世界中の株式に分散投資する投資信託を長期積立していくのがベスト。預貯金をはるかに上回る成果が望め、税制優遇の利点も享受できます」

 価格変動のリスクが怖いという人には、別の方法をすすめる。

「『個人向け国債変動10年』。が望ましい。現在の利率は0・05%と低いですが、今後、金利が上昇すれば利率も上がるため、物価上昇による資産の目減りも避けられます」

■“退職金投資デビュー”で失敗する人とは?
・投資で儲けようとしている
・株価の動向に振り回され一喜一憂してしまう