死別の場合の年金額ケーススタディ

【ケース1】  夫婦が65歳以上で、すでに年金(月22万円程度)を受給している場合

→もし死別した場合、妻が受給する遺族年金は月13万円程度

【ケース2】  現役会社員で、子は18歳未満。夫婦共に50歳、夫の厚生年金加入期間は30年とする場合

→死別した場合、妻が受給する遺族年金は月13万円程度

→子どもがいない場合、月10万円程度

【ケース3】  自営業で国民年金に加入している場合

→死別した場合に妻が受給する寡婦年金は月5万円弱
※妻が60~65歳であること、婚姻期間が10年以上あることが条件。65歳以上は自分の老齢基礎年金、月6万5000円程度の受給。

「いざというとき」に困らないため
自分のおカネは守って暮らす!


 夫がいてもいなくても(失礼!)、おカネとの付き合い方を見直して、未来に備えておきたいもの。風呂内さんに3つのポイントをうかがった。

【守り方1】
 “ラテマネー”をあぶり出す


 ラテマネーという言葉がある。アメリカの有名な資産コンサルタントが生み出した言葉で、「自分にとっては実は大した理由もないのに、つい使ってしまうおカネ」をいう。朝の習慣だからと、毎日買うことにしていたらカフェラテのような少額のものであれ、支出がかさんでしまう。

 30円を1年買い続けたら、1万円。その金額はボディブローのように、家計にジワッときいてくるのだ。安いから、気晴らしだから、習慣だから、といった理由で物を買わないこと。必要なものは何かという視点こそが、家計防衛にはとても大切なことだ。

【守り方2】
 通帳をじっと見る


 通帳はおカネの出入りがひと目でわかるもの。少なくとも月に1度は記帳する習慣をつけたい。インターネットバンキングにログインするのもOKだ。定期的に「眺める」ことで「毎月定期的に引き落とされているもの」「月末は黒字か、赤字か?」などおカネの出入りのリズムがわかってくる。

 ATMから引き出す頻度やタイミングに注目すると、「1週間にいくらくらい使うのか」といった自分の暮らし方も見えてくるはず。前月の同日と比べてどのくらい黒字になっているか、定点観測することで気持ちの引き締め効果もある。通帳は保管のためにあらず。眺めて活用してこそ生きるものだ。

【守り方3】
 銀行口座にこだわる


 銀行はどこに預けても大差ない、と思ってはいないだろうか。どこも同じようなサービスを提供しているとみえても、強みや特徴がある。「○○さんにすすめられたから」とか「家族が長年ここだから」という理由ではなく、戦略的にチョイスすることが大切だ。

 ポイントは生活費と貯蓄、ふたつの口座を分けること。生活費の口座は振り込みや、家賃やクレジットカードなどの引き落としなど。公的な引き落としは、ネット銀行ではできないこともあるので、メガバンクを利用するのが便利。ちょこちょこと支出入がある、この生活費の口座は、使いやすさと手数料がなによりも重要。逆に貯蓄用の口座は、金利に目をつけよう。

 この金利が高めなのはネット銀行。条件によっては、普通預金の金利が高くなる「イオン銀行」「楽天銀行」はおすすめ。貯蓄用口座は、「開けてはいけない玉手箱」と考え、引き出さないままキープするクセをつけたいもの。

 教えてくれたのは……風呂内亜矢さん ●1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFPR認定者、YouTube「FUROUCHI vlog」でも日々の記録とおカネの情報を発信。著書多数。

〈取材/オフィス三銃士〉