お笑いコンビ・元「雨上がり決死隊」の宮迫博之(51)に対する、やさしい揺れ戻しが働き始めている。

「きっかけになったのは、周囲の“圧”。宮迫がいじめられている、という構図の中、抵抗する宮迫に同情票が集まっている」

 そう分析するのはスポーツ紙芸能担当記者だ。

 8月17日、YouTubeの吉本興業チャンネルとAmemaTV内で、蛍原徹と2人そろってコンビ解散を発表した。

「不祥事を起こしても吉本に戻れるロンブーの田村亮や極楽とんぼの山本圭壱がいる一方、宮迫に対しては、どうも周囲の風当りが強かった。ファンの間では、もうほっといてあげて、という声がもともとあった」

 と前出・スポーツ紙芸能担当記者。次のように続ける。

「かつて、吉本の大崎洋会長が、写真週刊誌の直撃に『戻って来ないでもいい』と突き放したこともあり、今回の解散発表後も週刊文春の電話直撃に『ああ、解散したんかくらいな感じ』『(頑張れという気持ちは)それはないけどね』とそっけなかった」

 と、今の宮迫の追い風になっている“圧”を指摘。その指摘を引き取り、宮迫が吉本から嫌われる理由を関係者が明かす。

「2年ほど前、反社の会合に出席した後、宮迫はギャラをもらっていないと言い張り、周囲に口裏合わせを持ちかけた。吉本の事情聴取に対しても潔白を主張した。それを信じた吉本幹部が、宮迫を出演させ続けてほしいとテレビ局幹部に頭を下げたんです。

 なのに、宮迫は100万円をもらっていた。隠ぺい工作に関する怒りは今も吉本幹部から消えていませんよ。ロンブーの亮にも極楽とんぼの山本にも、そういうズルさはなかったから、契約解消されなかったり、復帰することができたんです」

 宮迫の勇み足を、前出・スポーツ紙記者が付け加える。

「反省する時期も少なくYouTubeを始めたことは、解散会見で相方の蛍原も嫌悪感を示したように吉本内部にも『うまくやりやがって』という空気があった。反省の活動としてこども食堂の活動に参加しましたが、そのことまでYouTubeにアップしたこともまずかった。ポーズに思われましたからね」

非地上波という芸能活動

 何にしても反省する期間が短い宮迫。解散会見後、「当面休止する」としたYouTubeをわずか1週間で復活させたことからも明らかだ。

 それでも、渡る世間は鬼ばかりではない。味方も現れる。

 今月になり、大阪で行われたファッションイベント「関西コレクション」に出演したり、メンズ脱毛サロン「メンズクリア」の新商品発表会に出席するなど活路を見いだしている。「メンズクリアは宮迫さんを応援しています」という同社の呼びかけも、孤立奮闘する芸人には心強い。

「YouTubeの登録者数も増えている。大手優良企業というわけにはいきませんが、話題を求めるスポンサーもつく。現状だけを見れば、食うに困らないでしょう」

 ウェブサイト記者は、宮迫の今についてそう話し、宮迫の生きざまこそが壮大な実験として世間に受け入れられているのではないか、とみる。

「宮迫が実践しているのは、非地上波という芸能活動です。ミュージシャンはそういう生き方ができますが、お笑い芸人でそれができているのは、江頭2:50くらい。宮迫が江頭並に弾けた芸風を押し出したり、良質なコンテンツを生み続けユーチューバーとして飽きられなければ、ひとつのモデルケースを示すことができる」(前出・ウェブサイト記者)

 宮迫が探す非地上波という“生き方”に、やさしい追い風が吹き始めている。

〈取材・文/薮入うらら〉