ほか、竹内結子さん、小林麻央さん、元KARAのク・ハラさんの残されたSNSにも、今なお新たなコメントが書き込まれ続けている。

 亡くなった人(以下、故人)のSNSに、なぜコメントを続けるのかーー。

故人との対話の“窓口”

「一般的に、大切な人と死別した事実との向き合い方には正解もなく、人によってさまざまな形があります。故人のことを、今の自分にとってどのような人と捉えるかも人それぞれ。

 ただ、故人に対して、かなり遠くに行ってしまった、心の交流ができない異次元にいる存在だと思う人は少ない。どちらかといえば、亡くなってからも、どこか近くで“自分のことを見てくれている”という距離感を持っている人の方が多いと思います」

三浦春馬さん、最後の投稿(インスタグラムより)
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 そう話すのは、精神科医であり産業医でもある井上智介先生。その距離感の中で、日本では故人との対話の“窓口”として、仏壇やお墓がその役割も果たしているという。

「しかし、芸能人などの有名人は、それらの場所が一般的に公開されていません。そこで、ブログやインスタなどが、故人との対話の窓口となって活用されているのでしょう」(以下、カギカッコは井上先生)

 さらに、SNSに“書き込む”という行為は、心にこんな影響を与えるという。

仏壇に手を合わせ、故人と心の交流をすることで、自分の気持ちを落ち着かせることができる。故人のブログなどに書き込むことも、同じことが考えられます。

 さらには、モヤモヤとした気持ちをそのまま放置するのではなく、しっかり言葉に表すことで、自分の気持ちと向き合えるんです」
 
 これを繰り返すことで、少しずつ楽しい記憶を思い出し、過去のつらい気持ちをほぐしていくこともできるという。井上先生曰く、死別によって起こる悲しみをコントロールする方法として、“故人に向けて手紙を書く”という方法があるそうで、

「手紙を書くことで、ゆっくりと自分のペースで、気持ちを整理することができます。さらに、相手が読んでくれるという期待が対話を成立させる。頭で思っているだけであれば、相手とつながっているという感覚を持ちづらく、対話が成立しにくい。SNSに書き込むという行為には、手紙を書く行為に通じるものがあると思います

 また、書き込みにはファン同士の“絆”も。これには同じ体験をした者同士だからこそ、深くわかりあえることがあるという。

「悲しいのは自分だけではないことが実感できたり、勇気をもらえたり、気持ちの整理の仕方を学ぶこともできる。孤独感を和らげ、ここなら大丈夫という自分の中の悲しい気持ちを安心して吐き出す場所にもなっていると思います」

 しかし、なぜ「生きてる人」ではなく「亡くなった人」のSNSなのだろう。

「これは生きているか亡くなっているかの問題ではありません。大前提として、亡くなっている人のファンであり、その人とのつながりを感じる行為です。

 大切な人が命を落としたからといって、それで終わりではありません。だからこそ、生きているころと変わらぬ形で、そのままSNSに書き込みをするのでしょう」

 “目に見える形としては失われても、故人との関係がすべて失われたわけではない”と井上先生。生前、たくさんのものを届けてくれた芸能人たち。彼らは亡くなったあとも形を変え、私たちの中で生き続けているのかもしれない。