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ー 江口寿史氏イラスト騒動、ルミネはーー

 

 漫画家でイラストレーターの江口寿史氏の“トレパク”騒動が尾を引いている。

江口寿史氏イラスト騒動、ルミネはーー

 問題の発端となったのは江口氏がルミネ荻窪のイベント『中央線文化祭』のポスターに寄せた女性の横顔のイラストだった。イラストは写真をトレースしたものだったが、モデルとされた女性が名乗り出て無許可であったことがわかり、“トレース”を“パクり”、女性の肖像権を侵害したという批判が相次いだ。

「江口さんは4日までに更新されたXで《インスタに流れてきた完璧に綺麗な横顔を元に描いたものですが、ご本人から連絡があり、アカウントを見てみたらSNSを中心に文筆/モデルなどで発信されている方でした》とポスト。本人から事後的に承諾を得たと釈明しました」(スポーツ紙記者)

 だが、イベント主催のルミネ荻窪はウェブサイトで《必要な確認をおこなった結果、制作過程に問題があったことを重く受け止め、該当ビジュアルを今後一切使用しないことといたします》と発表している。

 さらに江口氏がこれまでにイラストを手がけてきた、メガネ量販店のZoffやファミリーレストランチェーン店のデニーズも事実関係の調査を行うと表明。

X上に拡散されている、江口寿史とデニーズコラボイラストと酷似している新木優子(Xより)
X上に拡散されている、江口寿史とデニーズコラボイラストと酷似している新木優子(Xより)

 ネット上では江口氏のこれまでの仕事に対する姿勢を批判する声も並ぶ。

《あまり締切守らないし、なんなら自分が締切を破っておいて編集者に逆ギレするような人。今回のことも不思議はありませんね。めんどくさかったんでしよ多分》

《江口寿史の徹底した手抜きぶりも逆にすごい》

 こうした声が聞かれる理由をマンガを手がけるフリー編集者が指摘する。

「現在の江口さんはイラストを多く手がけていますが、もともとは漫画家としてデビュー。編集者や印刷所泣かせの“遅筆”で知られました。1980年代に『週刊少年ジャンプ』で連載していた『ストップ!! ひばりくん』は締め切りに間に合わなかったための休載もしばしばあり、未完のまま連載が打ち切りに。2010年に27年越しに“完結”したことで知られます」

『ストップ!! ひばりくん』は完結したが、スポ根ボクシング漫画の『エイジ』やギャグ漫画の『パパリンコ物語』など連載途中で投げ出し、書く意思は示すものの現在も“放棄”したままの未完の作品も少なくないという。 

 ただ、江口氏の遅筆にも理由はあったようだ。

「江口さんは絵に対するこだわりが非常に強く、週刊誌連載のスピードに追いつけなかったのです。特にかわいい女性のキャラクターには定評があり、イラストレーターとしてもその点が高く評価されていました。ただ、現在は漫画家としてもイラストレーターとしても“巨匠”になりすぎて、周囲が意見できなくなっていた状況はあるように見えます」(前出・フリー編集者)

 ネット上では今回のケース以外にも多くの“トレパク”指摘が相次いでいる。これまで“遅筆”を含めてその伝説ぶりが好意的に受け取られてきた江口氏だが、大きく評判を落とすことになってしまったようだ。