過去にも再放送をきっかけに、改めて評価を高めた朝ドラは少なくない。

“もう一度見たい”再評価された名作朝ドラ

 2013年に放送され、大きな話題を呼んだ『あまちゃん』は、放送から10年を迎えたタイミングで再放送され、改めて注目を集めた作品だ。

 能年玲奈(現・のん)が演じた天野アキが、祖母・夏(宮本信子)の影響を受けて海女を目指し、故郷・岩手で成長していく姿を描いた本作。宮藤官九郎氏ならではのテンポの良い会話劇や、個性豊かな登場人物たちが人気を集めた。

「放送から時間が経っても、宮藤さんの脚本による伏線の張り方や回収の巧みさ、キャラクターの魅力は色あせませんでした。当時夢中になった人には懐かしく、初めて見る人には新鮮に映る。世代を超えて楽しめる作品だったことが、再び支持された理由だと思います」(前出、ドラマライター)

 2001年に放送された『ちゅらさん』も、23年の時を経て待望の再放送。改めて作品の魅力が注目された朝ドラのひとつ。

 沖縄・小浜島で育ったヒロイン・古波蔵恵里(国仲涼子)が、上京後も周囲の人々に支えられながら人生を歩んでいく姿を描いた本作。家族の温かさや人とのつながりを大切にした物語は、放送から年月が経った今も多くの視聴者に愛されている。

「恵里の前向きな姿や、古波蔵家を中心とした温かな家族の描写は、今の時代だからこそ響く部分があります。忙しい毎日の中で、見る人に安心感を与えてくれる“朝ドラらしさ”が再評価されたのではないでしょうか」(前出、ドラマライター)

 また、若手時代の山田孝之や佐藤隆太ら、現在も第一線で活躍する俳優陣の姿も、改めて注目を集めた。

 続いては2011年に放送された『カーネーション』。再放送のたびに高い支持を集める朝ドラの代表作。

 尾野真千子演じる小原糸子が、戦前から戦後の激動の時代を生き抜き、洋裁の道で才能を開花させていく姿を描いた作品。仕事への情熱だけでなく、家族との葛藤や人生の苦悩も丁寧に描かれた。

「女性が自分の人生を切り開いていく姿を描きながら、決して成功だけを描いた作品ではありません。迷いや葛藤も含めて人間を描いているからこそ、見る人の年齢や経験によって響く部分が変わる作品です」(前出、ドラマライター)

 時代背景が変わっても、登場人物たちの悩みや選択に共感できる。それこそが、名作朝ドラが長く愛され続ける理由なのかもしれない。今回の『ひよっこ』再放送も、当時のファンには懐かしい再会となり、初めて見る視聴者には新たな朝ドラとの出会いとなりそうだ。