2025年1月28日、巨人・宮崎合同自主トレに参加した田中将大投手(共同通信社)
2025年1月28日、巨人・宮崎合同自主トレに参加した田中将大投手(共同通信社)
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 とはいえ昨夏の甲子園大会では、2週間で72万4700人が来場する連日超満員の人気ぶりだ。高野連もさぞかしチケット収入で儲かっていると思いきやーー、

「2024年度の収支予算書によると、春夏大会合わせての収益は計16億1000万円で8〜9割が入場料としていますが、年間にかかる経費もまた同額に迫る実情があります。無観客で開催されたコロナ禍の大会は大赤字だったとも聞きます。

 また通常、テレビ放送にかけられる放映権料もNHKから徴収しておらず、共催の朝日新聞、毎日新聞から協力金を得ている程度。高野連にはお金の余裕がないのが実際のところで、そもそも高校野球は教育であるため、金儲けにはしない美徳と伝統があるのです」(前出・スポーツライター、以下同)

高校野球にとって阪神以上の“聖地”

 甲子園にこだわるもうひとつの理由が「伝統」だという。プロ野球・阪神タイガースの本拠地として、多くの虎ファンの“聖地”とされてきた甲子園。夏の大会開催中は、かつて“死のロード”とも呼ばれたように、約2週間を敵地での試合を余儀なくされる。

 甲子園を高校野球に“貸している”ような構図だが、元来は1924年に「全国中等学校優勝野球大会(現選手権大会)」の開催地として建設された球場だ。つまり高校野球にとって阪神以上に“聖地”であり、100年以上にわたる「歴史と伝統の継承」の証でもあるわけだ。

「もちろん歴史と伝統を重んじる一方で、時代に合わせた変化が必要なのも確かです。そして田中投手のように、真夏の甲子園での投げ合いを体験した球児の意見も尊重されるべきでしょう。

 ですが各校が甲子園遠征のために寄付金を募り、クラウドファンディングも始めているように、高野連をはじめ高校野球にはお金の事情があるのも事実。選手と甲子園、そして9回制を守りたいのであれば、せめて開催時期を秋以降にずらすなどの議論も重ねたほうが良さそうですね」

 2025年に高野連が行った連盟加盟校へのアンケート結果では、「7イニング制」導入に反対が70・1%、賛成が20・8%と、反対意見が多数を占めている。お金と伝統、球児の夢舞台の狭間で高野連は頭を悩ませそうだ。