目次
Page 1
ー 投手よりも野手が選ばれる傾向が強い

 

 球団史上初となるセ・リーグ連覇を決めた阪神。個人タイトルも確定したなか、ファンが気になるのがMVPの行方だ。大方の予想は「三冠王」の主砲一択だが、選手・OBの内部評価は少し違うようで……。

 阪神が球団史上初のセ・リーグ連覇を決めた3日深夜、藤川球児監督がMBSの優勝特番「1/24時間テレビ 虎はありがとうをつなぐ」に出演。投打のMVPを聞かれると、即座に高橋と佐藤の名前を挙げた。

 10月8日のヤクルト戦をもって阪神の全日程が終了。投手陣では高橋遥人投手が最多勝と最高勝率、村上頌樹が最優秀防御率、才木浩人投手が最多奪三振を獲得し、タイトルホルダーがズラリと並ぶ。とはいえ、圧巻なのはやはり四番・佐藤輝明の成績だ。打率.306、39本塁打、106打点を記録し、打撃部門「三冠王」を獲得。球団では1986年のランディ・バース氏以来40年ぶり、日本人選手初の偉業となった。

「ファンのMVP予想は『サトテル一択』のようですが、球団内部の評価は少し様相が異なっています。岡田彰布オーナー付顧問はボルトを入れる手術から復帰して、16勝3敗の“貯金13”を作った左腕を激賞し、『個人的MVP』に指名。掛布雅之OB会長もYouTube番組で佐藤の活躍を称えつつも、『心の中でのMVPは高橋遥人』と語っていました」(スポーツライター)

 こうした身内の本音を裏付けるデータもある。デイリースポーツが実施した選手26人による「あなたが選ぶチームのMVP」アンケートでは、2位の佐藤、3位の高橋を抑え、1位に選ばれたのは新守護神の工藤泰成だった。

「選手アンケートで工藤がトップに立ったのは、接戦を確実にモノにしてくれたクローザーのありがたみを選手たちが一番実感しているからでしょう。選出理由について、森下翔太はブルペンを立て直してくれた点に触れ、近本光司もセンターから見た圧倒的な球質を絶賛。毎日同じグラウンドで戦う選手たちからすれば、苦しい時期にチームを救った最大の功労者は工藤という評価で、記者が外側から見るのとはまた違う視点が垣間見えます」(スポーツ紙記者)

投手よりも野手が選ばれる傾向が強い

2025年、阪神タイガースの優勝パレードに参加した高橋遥人(公式インスタグラムより)
2025年、阪神タイガースの優勝パレードに参加した高橋遥人(公式インスタグラムより)

 もっとも、MVPの投票権を持つのは取材歴5年以上のプロ野球担当記者で、1位から3位までの連記投票で集計される。

「原則として優勝チームの選手から選ばれ、個人の圧倒的成績と優勝への貢献度が重視されます。巨人が優勝した2002年は、上原浩治氏が最多勝と最多奪三振を獲得した際も、打撃二冠の松井秀喜氏がMVPを獲得。他の年を見渡しても、優勝チームに投打でタイトルホルダーが生まれた際には野手が選ばれる傾向が強い。今年も佐藤が最有力であることには変わりないでしょうが、昨年もMVPを獲得して目新しさがないことに加え、失策数でリーグワーストだったことがどう捉えられるか。

 また、最後まで優勝を争った巨人との対戦成績は16勝8敗1分けと大きく勝ち越しましたが、試合内容を見れば、投手陣の活躍が大きかった。高橋も3勝をマークし、“巨人キラー”ぶり発揮。開幕から11連勝してチームの支柱になっていたのも加点ポイントです」(スポーツ紙記者)

 ネット上でも《サトテルの三冠王は見たいが遥人の復帰劇も捨てがたい》《現場からすると工藤の安定感に助けられた試合が多かったはず》《打撃タイトルを総なめにしたサトテルで決まりでしょ》といった様々な声が聞かれる。

 例年通りであれば、投票結果は11月下旬。記者たちの票はどの選手に集まるのか。