20160614_tsuyu_2

 いよいよ梅雨の季節が到来。何もしなければ、カビがどんどん増殖し、部屋のあちこちからイヤなニオイが発生……。そこでそのニオイの原因をプロに聞いた。

■さまざまなニオイが入り混じる家の中

 梅雨どきは不快なニオイを感じることが多いけど、なぜ発生するのだろうか?

「家のニオイの原因はひとつではなく、食べ物やタバコ、排水口などさまざまなニオイが混ざり合ったものです。特にニオイは繊維につきやすく、外出先で焼き肉を食べたら、空気中にちらばったニオイが衣類に付着し、帰宅すると、そのままニオイを持ち込んでいることになります」(花王株式会社・生活者コミュニケーションセンターの弦巻和さん)

 ニオイは時間がたてば空気中に出ていくので、次第ににおわなくなるという。では、どうして家のニオイはなくならないのか?

「こうしたニオイは揮発してだんだんと薄まっていきますが、やっかいなのが菌が原因のニオイ。実は家のニオイにはこのニオイが混じっています。菌は放っておくとどんどん繁殖するので、ニオイが発生し続けることになってしまうのです」

■菌自体ではなく菌の“フン”が臭い!?

 確かに菌は臭いニオイを出していそうなイメージがある。

「菌自体がにおうわけではありません。菌の代謝物、つまり“フン”のようなものがニオイを出しているのです。菌を除去せずにそのまま放置しておくと、どんどん増殖します。すると、その菌たちがどんどん“フン”をして、ニオイを拡散し続けることになります」

 家の中が菌の“フン”だらけになる。想像するだけでも恐ろしい。そもそも、ニオイを生む菌はどのような環境を好むのだろうか。

「菌も人間と同じで、居心地のいい場所に集まってきます。その条件は、温度が15~40度、湿度が70%以上に、栄養分(汚れ)のあるところ。菌はこうした条件下でどんどん増殖します」

■部屋干ししたとき生乾き臭の原因は?

 また、菌は布製品も大好きで、部屋干ししたときににおう“生乾き臭”は衣類についた菌に原因があるという……。洗濯して菌を除去したはずなのになぜだろう。

「生乾き臭は、モラクセラ菌の“フン”が原因です。洗濯しても衣類についた汚れを完全に除去できていなければ、その汚れ(皮脂や角質など)が菌の栄養分となります。さらに濡れたまま干すことになるので、乾くまでの間は湿気も高く、まさに菌にとっては好ましい環境。部屋干しすることで、部屋全体のニオイを悪化させることにもなりかねません」

 洗ったハンドタオルで手をふいて、しばらくたってから顔をふくとなんだかにおう気がする……。そんな経験をした人はいるはず。

「これも菌が原因。タオルで顔や手をふくと、そこに皮脂がついて菌の栄養分が付着。さらに濡れた状態になるので、3つの条件が復活して、どんどん菌が繁殖していきます」