その背景には、「大勢の参加者がいたほうが儲かる」という業者の思惑もあるだろう。とりわけ男性は、「大勢の女性に会えたほうがお得」と考える人が多く、業者の思惑を後押ししがちだ。

 こうした状況の下、営利にとらわれない自治体の動きにも注目が集まっている。国が'14年の補正予算で、少子化対策として30億円を投入したため、各地で行われていた婚活支援の規模が大幅にアップしたのだ。

 例えば、新潟県では、前年までの婚活支援予算が100万~200万円台だったのに加えて、'15年度には4600万円のプロジェクトを追加。

「以前から行っている『にいがた出会いサポート事業』では、カップル成立から成婚に至る割合が低かったので、成婚に結びつけるためにはアフターフォローを含めた“世話焼き”が必要だと考えました」(新潟県福祉保健部)

 地方自治体が行う婚活支援は、地方創生の要素もあるため、より熱心に取り組まれている。若者の移住や定住を促すための工夫を組み込む支援も多い。

 また、婚活当事者の世話を焼く“第三者”を介在させる取り組みは、自分で相手探しをするのが売りだった結婚情報サービスなどの民間でも出始めている。

 昨年はYahoo!JAPANがパートナーエージェントと提携して“相談機能”をつけた『Yahoo!婚活コンシェル』というサービスを開始。『ゼクシィ縁結び』も結婚相談カウンターを設けた。

 一方、一期一会となりがちな婚活の弱点を補うべく「何度も会う機会を提供する」婚活サービスも注目を集めており、複数回の参加義務がある趣味の講座や教室、「どんな人生を送りたいかを真剣に考える」ライフプラン講座などが新たに登場してきている。

 さらに、結婚相手紹介サービス大手『ツヴァイ』広報担当の才村さんはこう話す。

「相談員や仲人が介在する昔ながらのお見合いは、50代以上の層に見直されているんですよ」

 50歳以上の会員数は、'00年度から'15年度までにおよそ4倍に増えているとか。このほか、シングルマザーを対象としたお見合いパーティーも盛況だ。

取材・文/にらさわあきこ 図/イケウチリリー