2912628票を獲得して当選した小池百合子氏
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自己責任論は為政者の思う壺

 一方、世間には、貧しいのは努力しないからではないかという厳しい見方もある。宇都宮氏は「それこそ為政者の思う壺ですよ」と反論する。

「自己責任論は為政者にとって都合がいい。社会保障を切り下げる口実になりますから。僕は、人間はみな平等だと考えているんですよ。子どもは親や家庭を選べない。生まれた家が貧困かどうかで差別されたり、教育を受ける権利を奪われるのは不当です。日本は1994年に子どもの権利条約を採択しています。国や地方自治体は、子どもが教育を受ける権利を全部保障しなければならないんです」

最低賃金を時給1500円に

 働く女性の約6割はパートや契約・派遣社員などの非正規労働者だ。安倍首相は「女性が輝く社会」を謳い、4月には大企業に女性の登用目標の公表などを義務づけた女性活躍推進法が施行された。しかし、輝けるようになったという実感は乏しい。

「最低賃金を時給1500円にすればいい。決めるのは国ですが、都の公共事業の受注条件を時給1500円以上の企業に限ることはできる。男女の賃金差別があっても受注させない」

 都の最低賃金は全国最高値で907円になる見込み。月150時間働いて約13万6000円だからシングルマザーにはキツい。新都知事の腕の見せどころだろう。

行政から独立した『公益擁護官』という制度

 政治とカネ問題はどうすればいいのか。

「都議会がチェック機能を果たしていない。高額出張などを容認してきた職員にも問題がある。米ニューヨークには行政から独立した『公益擁護官』という制度がある。都民目線で都議会も含めて監視する仕組みづくりが必要です」

地方自治法で定められた「地方自治体のいちばん大きな役割」

 '12年都知事選では猪瀬元知事に敗れて次点。'14年は舛添氏の次点だった。定例都議会が開かれるたび、傍聴に足を運ぶようになった。都民にこう呼びかける。

「選挙のときだけ盛り上がって、あとは新都知事にお任せではいけません」

 そして新都知事に訴える。

「地方自治体のいちばん大きな役割は住民の福祉です。地方自治法で定めています。多くの都民は毎日の暮らしで必死です。都民の生活や暮らしを軸にした都政に転換しなくちゃいけない。そして平和を守らなければ都民の生活は守れません。新都知事の姿勢は、国に影響を与えるでしょう」