また、二流で終わる人の話し方で多いのは、「マッキンゼー本の形式のマネばかりして、論理構造だけは立派なものの、いかんせん内容がない」ということである。

星一徹もビックリの、怒りの鉄拳制裁を

【3】MECEで論理的だが、内容が超絶につまらない

 コンサルかぶれの二流の人ほど、「理由は3点ありまして……」などとロジカルぶった話し方をするものである。

 ビジネスパーソンの中にも、昨今のコンサル本ブーム、マッキンゼー本ブームのせいか、やたらと「MECE」「ロジックツリー」「ゼロベース」「フレームワーク」などの単語を「問題解決の魔法」のように振りかざす人も少なくない。

 しかしながら、MECEもフレームワークも、使い方を間違えれば、たんなる「抽象的で退屈な使い古されたゴミ箱」である。

「MECEにまとめて」「フレームワークは何?」「ロジックツリーが組めていない!」とばかり言ってくるコンサルかぶれの上司には、心の中で「巨人の星」の星一徹もビックリの、怒りの鉄拳制裁を食らわせようではないか。

「マッキンゼー本を読んで論理的ぶっているが、中身はゼロないし他人の時間を無駄にするのでマイナス」であることは、少し話すとすぐ相手にバレるものだ。

 コンサルのケース面接でもない限り、「当たり前でつまらない論理」より「面白い実例」をひとつくれたほうが、よほど人は話をしていて楽しく学べるものである。

【4】そもそも「伝えたい内容、気持ち」がない

 最後に、「一流と二流の話し方」を分ける最重要ポイントは「そもそも伝えたいことがあるか」という一点に尽きる。

 会話能力が低い人は、「テクニック」うんぬんよりも、そもそも「伝えたいことがない」ことも多い。頭がよくて真面目な人の中にも、こういう話し方をする人は少なくないのだ。

 二流の人は、ひたすらありきたりな「知識」や「事実」をたっぷり時間をかけて、実に論理的に、つまらなく説明しただけで終わる。情報やデータはあるが「伝えたいメッセージ」がなく、それゆえ「感情を揺さぶる驚き」が一切ないのだ。

 人の脳は退屈な話は覚えないように出来ている。それに、相手の心を動かそうと思ったら、そもそも自分自身が話す内容に「情熱」を感じている必要があるのは当然ではないか。

 会話で人を動かすのは、往々にして「事実」や「情報」ではなく「自分の熱い情熱」だということを、いつも忘れないようにしよう。