「“ペンは剣よりも強し、とはこのことか!”という文章を書くと思います(笑)」
3月31日に主演舞台『ハザカイキ』が開幕する丸山隆平。芸能記者・菅原裕一役とあって、もし芸能記者だったら自分のどんな部分が強みになりそうかと尋ねると、先の答えが。
「何が本当で何がフェイクなのかわからない」
「最近の記事の中には、当人をよくわかっていないものもある気がしていて。“僕、その日、絶対そこにいないし!”なんてこともありますし(笑)。僕はかなり調べるタイプなので、リアルに、ねちっこく書くことにはきっと長けているんじゃないかな(笑)」
と、サービス精神たっぷり。逆に、芸能記者には向かないと思う部分は?
「長い時間、待てないところです。例えば、おいしいと有名なラーメン屋さんであっても僕に合うかはわからない。そういう“保証のないもの”に並ぶことが耐えられないんですよ。
記者のみなさんって、撮れるかわからないのにずっと張り込むじゃないですか? 僕、無理ですねぇ。あと、去年“ぎっくり腰デビュー”してしまったので、車内でずっと同じ体勢で待つのも厳しそう」
演じる菅原が追うのは、人気タレント&アーティストの熱愛。不祥事、活動の危機、追放……。芸能界のうねりの中で、菅原も記者として最悪の事態に陥ることに。
芸能界を含め、価値観がどんどん変化していく昨今。タイトルの『ハザカイキ』と聞いてイメージすることは?
「“みなさん、そろそろヤバいですよ。気づいてますか?”、そんな警鐘を鳴らされている気がします。時代の変化がどんどん速くなって。追いつく前から、誰もが情報を詰め込んで。しかも、何が本当で何がフェイクなのかわからない。そんな時代だからこそ、大きな何かに惑わされない自分を持っておかないといけない。自分の目で見て体感したことを、より信じる勇気を持ち、努力をしなければいけない気がしますね」
座長としての心がけは“差し入れ!”と即答。
「お肉、お菓子、滋養強壮に効く栄養ドリンク……。おいしい差し入れで、みなさんの胃袋やメンタルを癒したいです」
舞台は座長が頑張れば成立するものではなく、みんなで作るものだと強調する。
「“僕が一座を背負う!”なんて思うと空回っちゃう。一度グループでリーダーをやって痛い目に遭っているので、二度とそんなことはするまいと思っております(笑)」
昨年11月、40歳に。健康に気を配るようになったと笑う。
「去年が前厄、今年が本厄。一般的に身体にガタがくる年齢らしく、だんだんむちゃがきかなくなっていくと思うので。酒量を抑えたり、揚げ物を控えたり。今日もジムに行って、チョップドサラダを買ってからこのスタジオに来ました。ちょっとずつではありますが、努力はしています」
40代を迎え、大人の俳優として新たにした思いなどは?
「うーん。“大人になりました!”“ギア入れます!”と叫んだところで、依頼を頂かないとダメなので。(北野)武さんが以前、“いくらこっちがやりたいと言っても、求められないと無理だ”とおっしゃっていて。本当にそうだなと思います」
求められ続けるために、自ら動く。
「周りが動いてくれることは当たり前じゃないし、今回素敵な役を頂いたのはチャンスタイム。“見に来てください!”とあちこちで声をかけています。舞台に限らず“前回うまくいったから、今回も大丈夫”なんて生ぬるいものではないので、今欲しいのは場数と経験。今作は東京と大阪で30公演以上。稽古期間も含めて、全部を自分の養分にして経験を拡張していければと思ってます」
短髪が新鮮&お似合い
長めの髪のイメージが強い丸山がここまで短髪なのは珍しいし、新鮮。
「ちょっとグチっていいですか? 髪を切ると決めたら、スタッフさんが“歌番組の出演用に帽子など、かぶるものを用意しておいたほうが?”と。いやいや、待って! 似合わない前提で言ってますやん(笑)。もちろんリスクヘッジはあっていいと思うけど(笑)。いざ切ってみたら、(SUPER EIGHTの)メンバーも“似合ってる”と言ってくれて」
すっごく素敵です!
「ありがとうございます! 今、腹の中で“ほれ見たことか!”と思ってます(笑)」
Bunkamura Production 2024 『ハザカイキ』
【東京】3/31〜4/22、THEATER MILANO-Za
【大阪】4/27〜5/6、森ノ宮ピロティホール
出演/丸山隆平、勝地涼、恒松祐里、風間杜夫 ほか
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/24_hazakaiki/
取材・文/今井ひとみ