8月16日、17日に東京ビックサイトで開催された「コミックマーケット106」通称“コミケ”。世界最大の同人誌即売会として知られており、現在は毎年8月と12月に開催されている。
コミケに登場した“臭撃防衛隊”
「コミケでは、サークルという個人団体で参加が可能で、同人誌だけでなく自身の写真集やコミケ限定のCDなど、オリジナルグッズも販売されています。また、様々なコスプレイヤーが参加することでも有名です。
回を重ねるごとに大規模化し、今では膨大な参加者が集う一大イベントとして人気を博しています。日本のオタク文化を代表するイベントとして海外の方からも人気。今年は2日間で約25万人が来場したとのことです」(ライトノベル編集者)
そんな大規模イベントだが、多くの人が集まることで様々な問題も指摘されてきた。例えば、禁止されているにも関わらず前日や当日の深夜から会場前に並ぶ、もしくは周辺を徘徊する“徹夜組”や営利目的で会場商品を購入する“転売屋”。
会場最寄り駅の始発電車を降りた参加者が一斉に駅構内を走る、危険な“始発ダッシュ”などがあげられる。
さらに、昨今話題に上がっているのが “激臭問題”だ。夏場に多くの来場者が密集することもあり、汗や体臭から臭いが発生。
そのため、
《なんか電車が臭いと思ったら今日コミケか》
《コミケ帰りの電車まじで異臭がする》
といったSNSの書き込みが取り上げられたり、過去には近隣住人から苦情が出たことも。
8月5日にはコスプレイヤーのえなこが《お風呂に、入ろう》というポスターを自身のXで公開。《夏なのでお風呂啓発ポスター作りました コミケで頒布するのでお風呂に入ってから来てね! #C106新刊》というメッセージ付きで、参加者への“お風呂啓発”を促した。
“激臭問題”対策は会場内でも…。
「昨夏のコミケにもありましたが、 通過すると消臭スプレーが噴射される“消臭ゲート” が設置されていました。株式会社ワカヤマが企画したブースで、ゲートを通過すると中にいる“臭撃防衛隊”と呼ばれるコスプレイヤーとツーショットが撮れます。かわいいコスプレイヤーと写真を撮れるうえに臭い対策もできるというアイデアが素晴らしいです」(前出、ライトノベル編集者)

“消臭ゲート”は消臭・抗カビコーティング剤「VIRMETS NR4+」を販売する株式会社ワカヤマが設置したブース。他にも“臭撃防衛隊”が同社の消臭スプレーを参加者に吹きかけるという企画も行っている。
この画期的な取り組みに、
《不快にさせないようにエチケットに気づかせる工夫がめっちゃイイ!》
《コミケだけと言わず、女性アイドルとか大型フェスの現場にも置いてほしい》
と、今年も好評だった様子。
その一方で、逆効果を心配する声も。
《美女に消臭して欲しいからってわざと臭いままくるバカが出現しそう》
《風呂と洗濯は最低限のモラル。消臭ゲートあるからって臭いまま来ないでね》
《匂いは自分で気にして対策するべきものなのに…せめて家でファブリーズなりなんなりして来いよ》
出展ブースのユニークな取り組みが、来場者一人一人の“においエチケット” を考えるきっかけになることを願う。