スペシャルQ&A【柿澤勇人編】

――平間さんには言ってないけど、感謝していることは?

柿澤 『ラディアント・ベイビー』という作品で、僕はキース・へリングという役をやったんですけど、彼(キース)はエイズになったアーティストで、実際の人生も、とにかく1分1秒も無駄にしないように駆け抜けていった方なんですね。だから舞台上で、僕はあんまり周りのことも見る余裕もなく、必死にひとりで走ってた部分があって。それは役とリンクしているから、僕はそれでいいとは思っていたんですけど、やっぱり精神的にも辛かったですし、もうやれないという思いになったこともあったし。実際、最終的にはアキレス腱を切って舞台を降板してしまったんですけど。

 そういう意味では精神的にも体力的にもしんどかった舞台ではあるんですが、やっぱり彼(平間)がいたから救われた部分があったなと。それがやっぱり一番ですかね。

――平間さんに直してほしいところは?

柿澤 電話に出ない(笑)。最近思ったのが、一緒に舞台やってたウエンツ(瑛士)に電話しても出ないんですよ。俺、嫌われてるのかなと思って。でも電話するのが夜中の2時とか3時なんで、“そりゃあ出ねぇな”って(笑)。僕としては出てほしいんですけど。お酒を飲んで楽しくなると電話したくなっちゃうんですよね(笑)。いつも言われるのは、「もっと早く誘えよ」っていう。だから僕が悪いんですけど(笑)。はい、僕がそこは直します!

――何フェチですか?

柿澤 うなじフェチ。髪の毛をバレッタで留めてうなじを見せてくれて、マキシワンピを着ていたら、だいたい恋に落ちますね。だから夏とかヤバいですね(笑)。バレッタとうなじで、もう最高なんですけど、そこに僕好みの無地のグレーとか紺とか黒とかの清楚っぽいマキシワンピを着てて、ちょっとかわいいサンダルとか履いてたら、ひと目ぼれします。夏は大変です(笑)。うなじは世界共通で美しいと思う部位ですね。

柿澤勇人 撮影/廣瀬靖士

――今まで見た舞台作品で一番印象に残っているのは?

柿澤 劇団四季を辞めたあと、大学在学中にブロードウェーで見た『アメリカン・イディオット』っていう、マイケル・メイヤー演出のミュージカル。学生証を見せてすごく安くしてもらった、端っこの席だったんですけど(笑)。グリーン・デイっていうロックバンドのアルバム『アメリカン・イディオット』の曲を使って、現代アメリカを描いたストーリーを舞台化した作品で。

 で、僕が見に行ったときに、主人公の男をドラッグに誘惑するような、人間じゃない悪魔的な役で、グリーン・デイのボーカルのビリー・ジョー・アームストロングがたまたま期間限定で出演してたんですよ。俳優としてのビリー・ジョーのパフォーマンスがめちゃくちゃカッコよくて。出待ちしちゃいましたよ(笑)。もちろん何百人っているから、サインももらえなければ握手もできなかったけど、その出てくる姿もカッコよくてね~。それは一生忘れないですね。

――今、欲しいものは?

柿澤 引っ越しするんで、家具ですね。実は初めてのひとり暮らしで。今まで実家で祖母と住んでいたんです。僕、おばあちゃん子だったんで、祖母が亡くなるまで一緒にいようと思っていたんですけど、祖母が施設に行くことが決まったので、僕もその家にいる意味がなくなったので。自分の趣味でリビングに置く家具とかを選ぶのは初めてだから、楽しみですね。インテリアのイメージはまだ考えてないけど、たぶんナチュラル系かな~。引っ越してから徐々にそろえていこうかなと思ってます。

――今までの人生最大の喜びは?

柿澤 舞台って、稽古も神経すり減らすし、身体もきつくなるし。本番も毎日やってれば、身体は疲れてくるわけで、しんどいことのほうが多いんですけど、それが終わってお客さんが笑顔で帰ってくれて。それで、家でお風呂に入ったあとの1杯目のビールかな~。それはほんとに幸せに感じますよ。“ああ~、このためにやってるんだな~”って。まあビールじゃなくてもいいんですけど、おいしいご飯とかでも。そういうときが幸せ感じるかな。

 だからそのためにはいい芝居しなきゃいけないし、そこまでの過程のほうが大事なんですよ。もし過程がボロボロで本番もボロボロだったら、おいしい酒も飲めないし、ご飯も食べられないだろうし。中途半端になあなあにやってたら、おいしいとは思えないですし、どっかで抜いたら自分でわかりますからね。


<プロフィール>
ひらま・そういち◎1990年2月1日、北海道生まれ。A型。近年はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』、『ラディアント・ベイビー~キース・へリングの生涯~』、TBSドラマ「あなたのことはそれほど」などに出演。7月2日~8月6日ミュージカル『RENT』(日比谷シアタークリエ)、’18年1月4日~31日シアタークリエ10周年記念コンサート「TENTH」に出演が控えている。

かきざわ・はやと◎1987年10月12日、神奈川県生まれ。B型。’07年、劇団四季で俳優デビュー。『春のめざめ』主演ほかで活躍。退団後もミュージカル『ラディアント・ベイビー~キース・へリングの生涯~』ミュージカル『フランケンシュタイン』ほか数多くの舞台に主演。『デスノートTHE MUSICAL』(大阪公演:8月19日~21日梅田芸術劇場メインホール/東京公演:9月2日~24日新国立劇場 中劇場)主演。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/廣瀬靖士 ヘアメイク/時田ユースケ[VREEA])