【その4】よく噛んで、ゆっくり食べる

ラクダのように“もぐもぐ”する!?
ラクダのように“もぐもぐ”する!?
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“よく噛んで食べなさい”。これって子どものころから言われ続けてきたことだけど、意外と意識できてないかも?

唾液に含まれるIGF−1という成分はインスリンと似たような作用を持っていて、血糖値の上昇を抑える働きがあります。また噛めば噛むほど咀嚼中枢が刺激され、“お腹いっぱい”と脳が感じやすくなる。どうしても早食いが直らないという人は、“ひと口食べたら箸を置く”方法がオススメです」

【その5】“代謝アップ油”は、オメガ3と覚えて

 油というと、もうそれだけで敬遠してしまうかもしれませんが、むしろ身体に大切な素材。代謝アップに効果的な油を選べば無敵です。

「積極的にとるべき油“オメガ3”は血液をサラサラにして、体内の炎症を抑える作用があります。オメガ3が含まれる食材は、イワシやサバなどの青魚、魚介類、くるみ、亜麻仁油、えごま油など一部の植物油と野菜。反対に、揚げ物をするときなどに使われるサラダ油や大豆油などのオメガ6を含む油は、避けるべき油です」

【その6】「砂糖」と「小麦」はダイエットの天敵!

 多くのお菓子を構成しているのが、砂糖と小麦粉。やはり、やせたいのなら避けたほうが無難。

「代謝機能を低下させている大きな要因は、糖質のとりすぎです。なかでも砂糖と小麦の多い食品は、ビタミン・ミネラルが少なく、粗悪な油脂類とミックスしてあるような加工食品が多いため、代謝が下がりやすくなります。パンや麺類はできるだけ避け、身体に必要な栄養でお腹を満たすことを意識して」

【その7】米飯と上手に付き合う

 米飯は糖質の代表選手。糖質=代謝ダウンの元凶のようだけど、日本人の食生活には欠かせません。どうしたらいいの……?

ご飯を食べるときのルールは1食80グラムまでならOK。量にするとお茶碗に軽く1杯程度。これをしっかり噛みしめて食べてください。ご飯を減らすことに抵抗がないようであれば、朝または夜は、ご飯をカットするプチ糖質制限も代謝アップに効果があります。ただそのぶん、空腹感が増して余計なおやつを食べてしまう……というのなら、ご飯は減らさないほうがいいですね」

【その8】おかずに迷ったら……「マゴワヤサシイ」

 代謝を上げるためにタンパク質をたくさん食べればいいのはわかったけど、ほかのおかずは何を食べればいいの? そう悩んでしまったときの合言葉は「マゴワヤサシイ」。

マは納豆などの豆製品、ゴはごまなどの種子類、ワはワカメなど海藻類、ヤは野菜。特に緑黄色野菜がいいですね。サは魚。シはしいたけなどのキノコ類、イはさつまいもなど芋類。ミネラルやマグネシウムといった、代謝に大切な栄養素が含まれています。先ほどもいいましたが、これらを素材に近い状態で食べることが大切です」

【その9】納豆、みそ、チーズ……発酵食品は代謝アップ食!

「納豆を筆頭に、みそや漬物、チーズやギリシャヨーグルトなどの発酵食品は、代謝アップを助ける優秀な食材です。ぜひ積極的に食卓に並べるようにしましょう。チーズはカマンベールやチェダーといったナチュラルチーズがオススメ。ヨーグルトは水きりされたギリシャヨーグルトだと、なおいいですね」

 しかし、市販されているものにはきちんとした発酵食品でないものも多いとか。名称と原材料名の欄を見て、「発酵」の記述があるかどうか確認しよう。

【その10】空腹は体脂肪燃焼の絶好の機会!

 空腹はダイエットの天敵。そう考えていませんか? でも、お腹がすいているときほど、実は体脂肪は燃焼しやすくなるそう。

「空腹時や睡眠時など血糖値が大きく下がっているときは、脂質代謝が高まるとき。体脂肪燃焼の絶好のチャンスなんです」

 空腹感に襲われたときこそ、いま脂肪が燃えている……とワクワクして過ごすといいのかも。

【最後に】水や野菜で満腹に……って、そのダイエット間違ってます!

 食事前に水をいっぱい飲む、半玉キャベツでカサ増し……。そんなダイエット方法、よく耳にしますよね。でも「それは大きな間違い」と森さん。

「水やキャベツ、こんにゃくなどを食べて空腹を紛らすのはいちばんやってはいけない方法! 大食い選手が大会前に水をたくさん飲むのは、胃を広げるため。お腹を膨らませることで胃のキャパが広がってしまうので、より“食べられる身体”に。また固形物より液体のほうが太りにくいというのも間違い。固形物のほうが消化するためにエネルギーを使うので、熱を作ります。体内に入れた際に、より手間がかかる食べ物をとることが大切なんです」

〈教えてくれたひと〉
森拓郎(もり・たくろう)◎1982年5月10日生まれ。足元から顔までを美しくするボディワーカーとして、運動の枠だけにとらわれないさまざまな角度からボディメイクを提案する運動指導者。2014年『運動指導者が断言!ダイエットは運動1割、食事9割』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)が15万部のベストセラーとなり、トレーニング至上主義であるフィットネス業界に一石を投じ、ダイエットは食事改善こそが最も重要であると主張している。モデルや女優などの著名人からの信頼も厚い。