そんな30周年の新たなチャレンジとなったのが、カバーアルバム『BADAS(S)』だ。楽曲は、日本のロック界に多大な影響を与えた、故・忌野清志郎さん(RCサクセション)、BOO/WYなどジャパニーズロックの先達から、ともにバンドブームを牽引したザ・ブルーハーツ、さらに松任谷由実まで、バラエティー豊かなラインナップとなっている。

「自分たちが少年時代に聴いてきた曲、僕らに影響を受けた世代のもの、それから音楽仲間たちの作品という3つから選びました」

デビュー30周年を迎えたJUN SKY WALKER(S)。左から寺岡呼人、小林雅之、宮田和弥、森純太
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どんな曲でも4人そろうとジュンスカ

 一見すると、異色とも思えるのが松任谷由実だが、ごく自然なことなんだとか。

「当時から、森くんや(寺岡)呼人は、ユーミンの曲をよく聴いていてね。森くんが昔、“ジュンスカは、ユーミンのメロディーに、(アメリカのパンク・ロックバンド)ラモーンズのバンドサウンドを乗っけた”って言ってたんですよ。パンクなのにポップなのがジュンスカなんです。そういう意味で、ルーツとも言えるユーミンはこのアルバムの目玉のひとつだと思いますよ。とはいえ、ユーミン、スピッツ、ミスチルの楽曲は、僕にはない歌いまわしだったから難しくって、練習もたくさんしたんです。でも、いざレコーディングになって森純太のギター、寺岡呼人のベース、小林雅之のドラムでやるとすぐにピタッとハマる。不思議ですよね。どんな音楽も僕らがやればジュンスカになるってことを改めて感じたアルバムでした

 オリジナル曲ではなく、カバーアルバムにしたのは、彼らの音楽を振り返るとともに、未来へのバトンをつなぐという意味もある。

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「先日、僕らが昔、歌番組でやった『雨上がりの夜空に』(RCサクセション)を見たというファンが、私にとってのオリジナルは宮田さんです! と言ってくれて。それはとても恐れ多いことなんだけど、音楽って、いいものは伝えられていくわけでしょ。清志郎さんはもう亡くなってしまったけど、歌いつなぐことで生き続ける。それって素敵なことじゃない? 僕たちの血となり肉となったものを、次の世代にバトンタッチする。そんな気持ちもあるんです。それが30周年のスタートに出せたことがとてもうれしいよね」

 30周年イヤーは新曲づくりはもちろん、来年にかけて47都道府県を全て回るツアーも計画しているそう。

1度大きな花火をあげることより、続けていくことのほうが難しい。だから、いまは、身の丈に合った場所で、来てくれた人に質の高い音楽を贈ることを大事にしたいですね。そのためにも、健康第一! 僕、2月で52歳になったんですけど、いまがいちばん、音楽と純粋に向き合っているのかもしれない。いま、すごく楽しいし、これからが楽しみなんですよ」

■取材後記
撮影現場に颯爽(さっそう)と現れると、すぐに取材がスタート。『週刊女性』本誌を手にとり「たまに見ますよ」と、フランクに語り始めた宮田。「やりたくないことは、しない」そのポリシーは若いころから変わらないそう。曲に乗せて届けてくれる、宮田のウソのない言霊だからこそ、時代を超えて、多くの人の心を動かし続けているのだろう。

<プロフィール>
宮田和弥◎1966年生まれ。力強く伸びやかな高音をもつ唯一無二のボーカリスト。ソロ活動としても力を注ぐアコースティックライブ『SLOW CAMP』のツアーが3月よりスタート。最近、DNAダイエットにハマっている。JUN SKY WALKER(S)初のカバーアルバム『BADAS(S)』発売中。詳細はデビュー30周年スペシャルサイト http://www.jswxxxproject.com/

(取材・文/杉本真理)