大阪にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパン

《暴走する恐竜プテラノドンに背中を掴まれ、全身むき出しで空を飛ぶ!》

 大阪市此花区のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」で1日、走行中のジェットコースター「ザ・フライング・ダイナソー」が緊急停止し、乗客64人が宙づり状態で5分以上~最長1時間57分取り残された。けが人はなかった。

 同コースターは、映画『ジュラシック・パーク』をテーマに、乗客は翼竜に背中を掴まれたような腹ばいスタイルのまま滑空する。USJはホームページでその魅力を冒頭のように謳っており、

《日常が吹っ飛ぶ“ありえない”スリル体験がここに》

 などと続ける。

 しかし、コース上で長時間身動きのとれなかった乗客にとっては、非日常さえも吹っ飛ぶありえない体験になってしまった。

 緊急停止したのは1列4人乗り×8列編成のビークル全2両。コース全長1124メートルのうち、1両は高さ37・8メートルのファーストドロップ(最初の落下)に向けて登坂中の高さ約20~30メート付近で止まった。もう1両はゴール直前の高さ6~7メートル地点だった。

救出に2時間もかかった理由

 USJによると、ゴール手前のビークル運行にかかわるモーターに不具合があり、安全装置が作動した。

「ビークル自体はモーターなどの動力を持っておらず、頂上から落下したあとは惰性で走り抜けます。ブレーキも備えていません。どこかで止めてあげないとゴールのステーション(乗降場)を通りすぎてしまうため、ゴール直前のレール上でいったんブレーキをかけてビークルを止め、あとはレールのモーターが押し出すようにしてステーションまで運ぶ仕組みになっています。この押し出すモーター部品の一部に不具合がありました」(USJの広報担当者)