監督として作品にかかわって気づいたこと

 今年公開の映画『blank13』で、初めて長編映画監督として作品を作り上げ、現在は役者として、そして監督としても作品にかかわることで、新たな気づきもあった。

企画段階から作品完成までを1から10で表したら、役者は7くらいから参加する職業だということを、作り手側に回って初めて気づきました。でも作品を作り上げるためには、キャスティングをはじめ前段があって、かつ撮り終わっても編集という果てしない時間が必要で……。それに対して、役者だけをしていたときは、当たり前に感じていたことが、監督業を通じて、作品が完成する尊さを痛感しました」

斎藤工 撮影/伊藤和幸
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 役者としてではなく、元住吉と同様、監督として立っているとき、いちばん喜びを感じる瞬間は、

「僕の中では、キャスティングが決まった瞬間を、ひとつのゴールと位置づけていて。スタッフやキャストをはじめ、夢のような態勢が整った時点で、あとはもう僕がどう動かすということではないと思っています。彼らが生み出す化学反応によって、エモーショナルに展開されていく様子を、切り取っていく。ある意味、無責任かもしれないけど、人々の生の反応にゆだねて、僕は映画を作っていくんです」

〇〇は監督あるある!?

役者としてではなく、監督として作品に取りかかっているとき、なぜなのか10円ハゲができるんです。作品が終わるとすぐ治るんですが、こないだは後頭部に3本、アディダスみたいなハゲができまして(笑)。そういった現象を元住吉という人物のビジュアルにも、と思ったんですが“それはちょっと……”と止められまして(笑)。もうひとつの現象の、白髪を採用していただきました。僕も含め、監督たちの多くが、部分白髪が増えるのは“監督あるある”らしいんです(笑)