MRI検査前にはタブレットを使った「認知力テスト」を行う
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 そもそもMRI検査とはなにか。CTと同様に身体の断層画像を撮影するのだが、CT(コンピューター断層撮影)はX線を使って画像を撮るのに対し、MRI(磁気共鳴画像診断)は大きな磁石による強い磁場と、FMラジオに使われているような電波を使って画像を撮る点が異なる。

 そのためMRIは放射線による被ばくがなく、安心して検査を受けられる。MRIは磁場と電波を使用して、人体の大部分を占める水分(主に水素原子)の密度を測定する。大きな磁石の中にあるコイルに電流を流すと強い磁力が生じコイルが振動する。この振動が大きな音となって聞こえる。スピーカーと同じ原理だそう。

 約30分で撮影が終了すると、いよいよ検査結果を聞くために診察室に移動する。

ドキドキの結果は

 脳年齢は先ほど受けた「認知力テスト」の結果と脳のMRI画像を、AI(人工知能)によって過去の大量データと照合し、平均値と比べて、何歳相当の脳であるかを算出する。

 気になる結果はなんと44歳! 3か月後には誕生日を迎えるので、ほぼ年相応でひと安心。総合評価もA~FのうちBで「健康的な脳の状態を維持できており、特に問題なし」とのこと。C~Fの場合は、定期的な受診が望ましいそうだ。

 さらに、脳のMRI画像を見ながら脳の状態を笹沼先生が詳しく解説してくれた。

「顔の感覚を脳に伝える三叉神経、聴覚と平衡覚を脳に伝える聴神経など神経の周辺や、内分泌器官である脳下垂体には腫瘍ができやすいのでチェックします。また、両目の奥や両こめかみの奥など、くも膜下出血を引き起こす脳動脈瘤ができやすい部位も調べます。

 血管の幅は約3~4ミリぐらいなので、それより大きい5ミリ以上の動脈瘤があると危険です。高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病があると、動脈硬化が進み、脳の画像上に変化が出るので要注意です

 あとは、脳へ血液を供給する頸動脈も見ます。頸動脈が脳を養っている内頸動脈と頭の皮膚などを養っている外頸動脈に分かれる分起点にコレステロールが沈着すると血管の壁が厚くなって狭窄(きょうさく)し、脳梗塞を引き起こします。これらと頸椎を走っている椎骨動脈をいろいろな角度から見て、狭窄がないか調べます」

 通常の脳ドックでは脳の血管系の疾患を中心的に検査するものの、「脳年齢」脳ドックでは脳の形態を解析することで海馬に萎縮がないかどうかを調べることができる