前出・警視庁の担当者も30代以上の女性被害を危惧し、
「特に専業主婦は男性や働く女性に比べて、外でネットセキュリティーの勉強をする機会が少ない。年齢が上がるにつれ、被害に遭った事例の話に触れる機会も減り、ネットセキュリティーに対して意識が低くなってしまうんです」

 と分析する。

カード会社の偽サイト。本物にはセキュリティーコード入力欄はない。これも偽サイトを見分けるポイント
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取られた情報は取り返せない

 スマホになってからセキュリティー意識が薄くなった、と指摘するのは、インターネット事情に詳しい虎ノ門南法律事務所の上沼紫野弁護士だ。

「スマホもパソコンと一緒です。セキュリティーソフトを使うことは家にカギをかけるのと同じ。自衛のひとつです」

 と基本の大切さを説き、

「フィッシング詐欺のように1度、情報を取られてしまうと、取り返せません。入力してしまったあとに変だなと思ったら、IDやパスワードを変更したり、クレジットカード会社や消費生活センターなどに相談することです」

 と呼びかける。

 総務省「家計消費状況調査結果」によれば、2人以上の世帯でネットショッピングを利用する割合は27・8%(2016年)で、1世帯当たりの月間支出額も3万円を超えている。

 クレジットカード番号とセキュリティーコードさえだまし取れば、本人になりすましてショッピングができる。ネットの利便性も、悪いやつらにしてみれば「ネット犯罪では相手を特定することが難しい」(前出・上沼弁護士)という絶好の隠れ蓑だ。

 前出・警視庁サイバーセキュリティ対策本部担当者は、被害に遭わないために必要な心構えを、こう呼びかける。

「宅配便業者や家電量販店、ショッピングサイトなど利用したことがある業者であればあるほど、注意力が下がる傾向にあります。身近なものであっても慎重さが必要です。

 インターネット犯罪に特効薬はありません。常に気をつけて使うことと最新の情報を入手すること。その意識をもって利用してください」