「和枝ちゃんと出会ったのは21、22歳のとき。僕の一目惚れでした」

 昨年10月27日に原発不明がんで亡くなった角替和枝さん(享年64)への思いを、夫・柄本明(70)が涙ながらに語った。

「40年以上、ともに暮らしてきた」という東京・下北沢で行われたお別れの会。大竹しのぶや國村隼、高田純次、浅野忠信など出席者の胸を打ったのが、柄本の“愛の告白”だった。

「正直の上にバカがつくといいますか、天然といいますか、とてもいい人でした。いつも一緒にいましたから。こうなるとは思いもしなかった、考えもしなかった。今は毎日、毎日、覚めない夢の中にいるようです」

 涙で震えながら、こう続けた。

「結婚前から、和枝ちゃんとほぼ毎朝、喫茶店に行くのがルーティンになっていて。芝居や劇団のことなど、長いと2時間くらい話したり。でも、今は和枝ちゃんと行った喫茶店には行けないんです……思い出しちゃって……」

 あまりに唐突で早すぎる別れに、「64歳は本当に若いです。悲しい、さみしい、不条理なんだけど、そういったものを糧にして、生きていくんだと思います──」

角替和枝さん

撮影/渡邉智裕(雑誌協会代表取材)、北村史成