では児相は、心愛さんの様子に注意を払っていたのか?職員が心愛さんに最後に会ったのは’18年3月だった。

「両親のもとでの生活の様子などを本人に聞きました。心愛さんは“大丈夫です”と答えていました」(前出・担当者)

 実はこのとき、自宅に帰るきっかけになった手紙について心愛さんは児相職員に「お父さんに書くように言われた」と告白していたが、児相は動かなかった。

児相「虐待に触れる必要はない」

 転校先の二ツ塚小学校も、

「両親との面談では、児相から“虐待に触れる必要はない”と指示されていました。前の学校でも児相でも虐待案件でもめてきた保護者ですから『虐待』というストレートな表現はできません」(校長)

 と過剰に配慮。親族宅には家庭訪問をしたが、自宅帰宅後は家庭訪問をしなかった。

「それは関係機関がやることなのかな、という認識でした」(前出・校長)

北原みのりさん
すべての写真を見る

 夫のDVなどを訴えていたなぎさ容疑者も、共犯として逮捕された。

 作家の北原みのりさんは、

「DVは自分で考える力を奪っていく。子どもを守ろうという気持ちすらすべて奪われていく。(母親は)本当にひどい精神状態だったと思います」

 となぎさ容疑者に同情する。

 だが娘を救えなかったことを悔やみ、「夫の指示で、事件までの1か月、心愛を外出させなかった」などと供述し、共犯を認めているという。

 自宅近くの住民によると、たしかにここ1か月、心愛さんを除く家族3人で外出する姿しか見なかったという。

 実家の親族はブレーキをかけられなかったのか。

「両親と妹さんとその4歳になる子どもの4人暮らし」(近隣住民)という勇一郎容疑者の生家は、

「事件が起きた日からずっといなくて、いったん帰って、またすぐにいなくなりました」

 インターホンを押しても応答はなかった。

 子どものために最善を尽くさなければならない大人たちが、最悪の対応を連発した今回の事件。第三者委員会による事実解明が待たれる。