広瀬すず 撮影/伊藤和幸

「1週間のスケジュール表には、なつの“な”の文字が“なななななな”って並んでいて。それを見ると“私、本当に朝ドラをやっているんだ……”と、改めて実感します」

 4月1日より始まった、通算100作目の連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合(月)~(土)、朝8時~ほか)でヒロイン・奥原なつを演じている広瀬すず(20)。

広瀬すずを救ってくれた言葉

 戦争で両親を亡くしたなつは、父の戦友・柴田剛男(藤木直人)に引き取られ、北海道・十勝へ移住。“血のつながらない”家族だが、柴田家の人々に愛情いっぱいに育てられたなつは、やがて当時、草創期であったアニメーションの世界を目指し、上京していく。

「ドラマのテーマであり、セリフにもよく出てくる“開拓”という言葉は、北海道の開拓精神に触れて育ったからこそ、上京してもなつの中にはずっとあって。夢をかなえるために、自分で道を切り開いて、どれだけ踏ん張れるかというたくましさや、粘り強さを持っている女の子だと思っています

 そんななつと、少し似ていると感じる部分が、広瀬の中にもあるんだとか。

「私も、もともと負けず嫌いで、完璧主義な部分があって。なつのように、悔しさがバネになってもっと頑張ろうって思えるし、何事もちゃんとやり遂げるまで気がすまない性格なんです。そういった男っぽい部分が、なつと少し似ているかなと思います」

 “100作目”や“平成最後”など、大きな期待がかかる今作。まだ20歳の彼女が、プレッシャーを感じないはずはない。しかし、そんな広瀬が「救われた」と話す、先輩役者からの言葉があった――。

「こういったタイミングで、とても素敵な作品に巡りあわせていただけて、とてもうれしいのと同時に、こんな私で申し訳ないという気持ちが大きくて。でも以前、ドラマで同じように不安でいっぱいだったとき、共演させていただいた先輩から“せっかくだから楽しんだほうがいいんじゃない?”ってアドバイスをいただけて、とても心が軽くなったんです。その言葉を今も自分に言い聞かせて、運よく巡りあえたこの作品を、心から楽しみたいと思っています」

 人や作品との巡りあわせが、異常に強いことだけ唯一、自信があると謙遜する彼女が、ヒロインだからこそ意識していることが。

「人って必ず、頑張りすぎると疲れてしまうときがあると思うんです。それを吹き飛ばすくらいのパワーを持っている方が、今までヒロインを演じられてきたのかなって。『わろてんか』のヒロイン・葵わかなちゃんは同い年なんですが、出演していた姉(広瀬アリス)が“現場での気遣いとか、本当に偉いと思った。だからヒロインなんだね”って話していて。

 私にもできるかわからないですが、少しでも現場のみなさんに“なっちゃん、今日もたくさん笑っている”って思ってもらえるよう、いま感じている幸せを、伝えられたらなと思っています