学校なんて公的なブラック企業ですからね。カリキュラムが増えるのは、国が決めたことなんで、どうしようもないと思ってますけど、部活なんか受け持ったら休みなんてほとんどなくなっちゃう。

 すべてトップダウンで、言われたら“やります”って言わなきゃいけない雰囲気で、上の立場の先生に頼まれたら断れず、それで残業が多くなるし……。そのくせ、ちょっと変わった授業とか新しいことをやろうとすると、古い先生たちが難色を示してきて、結果できなかったり……

 一時期は、教員試験に受かっても、なかなか“枠”がなく、学校に勤められない人が多いことも問題となった。しかし、現在は、全国的には教員採用試験の倍率は低下傾向で、採用倍率が1・2倍の自治体も出てきている。

「以前に比べれば、教師にはなりやすくなったと思います。もちろん非正規も含めてですが。なりやすく入り口が広がれば、昔みたいに“教師以外考えられない”と強く思う人だけではなくなり、そのぶん出ていく人も増えていて、私の周りにも、なったはいいけど、やはり違うなって辞めて一般企業に再就職する人も少なくないですね」(前出・教員の女性)

辞める教師の転職先は

 辞める教師は、どういった転職先が多いのだろうか。

時間のなさや理想とのギャップで辞める人は多いのですが、経験を活かせる職種ということで、やはり教育系がほとんどですね。しかし、そうなると塾講師や学習教材の編集など、職種が限られてしまう。若ければ業種を変えやすいですが、30歳を越えるとそれもなかなか難しい。

 教師はある意味“特殊技能”であり、応用やつぶしがききにくい。一般企業の視点で見ると、“未経験”に近いととらえられてしまう場合も多いのです。一般的なビジネスマナーなどを知らない人も多いです。教育系以外を志望する人は、“未経験OK”の職場に決まるケースが多い印象ですね」(前出・転職エージェント)

 職種が限られてしまうことに加え、もうひとつの問題が。