4月上旬、都内にある有名私立小学校に、新入生の親子が続々と登校していた。

 この日は朝から雨が降っていたが、校門から出てくる親子はまさに晴天のような笑顔ばかり。

「ここは“お受験界の東大”といわれるほどの名門校で、倍率は男子が約15倍、女子が約20倍。この狭き門を通ったんですから、どんなに悪天候でも親たちは思わず笑みがこぼれてしまうのでしょう」(学習塾関係者)

 そんな笑顔の中に、寺島しのぶと息子の眞秀くんの姿があった。寺島は息子と楽しげに会話しながら、足早に学校をあとにした。

「眞秀くんは、東京の歌舞伎座で公演中の『四月大歌舞伎』に出演しており、その日も午後から出番があったため、すぐに帰宅したようです。6歳にして、すでに大忙しですよ」(スポーツ紙記者)

 '17年5月、眞秀くんは歌舞伎座で行われた『團菊祭五月大歌舞伎』で、初お目見え。

素晴らしい演技でしたが、注目を集めたのは、彼がフランス人とのハーフの歌舞伎役者だからというのもあります。十五代目市村羽左衛門がハーフだったといわれていますが、公には眞秀くんが初めてです」(歌舞伎関係者)

 寺島は、歌舞伎界の名家・音羽屋の長女。父は人間国宝である尾上菊五郎、母は女優の富司純子、弟は尾上菊之助だ。'07年、フランス人アートディレクターのローラン・グナシア氏と国際結婚し、'12年に眞秀くんが生まれた。

「結婚会見で“男の子ができたら歌舞伎役者にしたい”と宣言していたとおり、眞秀くんには早いうちから歌舞伎の英才教育をはじめていたようです」(同・歌舞伎関係者)

 歌舞伎役者御用達の幼稚園にも通わせていた。

「その幼稚園に入学させればよっぽどのことがない限り大学まで進学できるので、安心して歌舞伎の舞台に打ち込める環境だったといえます」(前出・学習塾関係者)

 それなのに、わざわざお受験をさせてさらにワンランク上の私立小学校に入学させた。いったいなぜなのか─? 

 芸能レポーターの石川敏男さんは、こう話す。

寺島さんは、子どものころから歌舞伎の世界に憧れていたが、“女人禁制”というしきたりからあきらめざるをえなかった。いまや演技派女優として有名ですが、いろんな役に挑戦し続けた役者魂の根底には、歌舞伎役者への羨望があったからだと思います」

 だからこそ、わが子を“立派な歌舞伎役者にしたい”という思いが尋常ではない。

「将来、音羽屋の大名跡『菊五郎』は、弟ですが長男の菊之助さんの息子である和史くんに受け継がれます。そんな環境の中で、眞秀くんにはプライドを持って生きてもらいたいがために、名門中の名門に通わせようと思ったんじゃないかな」(石川さん)

 うちの息子はそんじょそこらの歌舞伎役者とは違う─。寺島の歌舞伎への執念が垣間見えた。