東京選挙区を戦うのは、れいわの新人で沖縄創価学会の現役学会員・野原善正氏(59)だ。昨年の沖縄県知事選に続いて同学会が支持する公明党に歯向かい、山口那津男党代表(67)と直接対決する。

「辺野古新基地建設で都民にもっと強い問題意識を持ってもらいたくて立候補した。米軍基地の受け入れを沖縄以外の都道府県に平等に負担してもらうための議論がそろそろ出てきてもいいのではないか」(4日、JR秋葉原駅前)

 応援する山本氏が「ふつう、ありえない話ですよ。公明党の代表が立つ選挙区に異を唱える創価学会員が立候補! 大人のケンカをしようじゃないか。聞いているか、山口なっちゃん!」と叫ぶと、徐々に数を増やしていった聴衆は大いに盛り上がり、熱気ムンムンだった。

 さて、今回の参院選は、各政党に候補者をできるかぎり男女同数にするよう求める「候補者男女均等法」施行後、最初の国政選挙。主な政党別にみると、女性候補者比率の高い順に共産55%(女性22人)、立憲45%(同19人)、国民36%(同10人)などとなっており、与党は自民15%(12人)、公明8%(2人)とまったく届かず当落以前の問題。本当に女性を活躍させる気があるのだろうか。

 政治家は口先の商売と揶揄されるけど、こうしたところに政党の本気度が出る。

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「政治の道に行きたいと決意したのは子育ての当事者が少なすぎるからです」
 
 立憲民主党から比例代表で出馬したタレントの市井紗耶香氏(35)は、14歳、12歳、6歳、2歳の4児を育てるママさん候補。街頭演説ではMCから「あらためてご紹介するまでもないと思いますけど」と紹介されるなど元モーニング娘。の知名度を生かす。 

「はじめてわが子を抱いたとき、この子のことは何があっても絶対に守ると誓いました。子育ては本当にたいへんですが、子どもたちの笑顔を見ていると疲れが吹っ飛ぶ。ただ、いまの日本の子育ては本当に温かいものなのか、疑問に思うことがたくさんあります。例えば、病児保育。ここ東京はものすごく少ない」 

 仕事と育児を両立させている母親にとって、急な預かり先を見つけるだけでもひと苦労で、見つけても交通の便が悪いなど疲労困憊しているのが実情という。 

 より現実的な話も……。「どんなに節約しても子育てにはお金がかかります。毎月のミルク代、オムツ代、食費、洋服代、数えだしたらキリがありません。児童手当をいただいており感謝しています。ですが正直、手当だけでは十分ではない。子育て家族は誰もがそう思っています」 

 実感のこもる演説だった。