父親「それだけはよかった」

 民放報道局員は、別のトラブルの存在をつけ加える。

「佐藤容疑者は赤松さんの路上駐車に不満を持っていた。一方で赤松さんは、このあたりの野良猫たちにエサを与えているのが佐藤容疑者で、そのせいで糞尿の異臭がすると話していたようです」

 事件当夜、赤松さんと小笠原さんは、市内で飲み会に参加後、赤松さんの自宅へ。その後に佐藤容疑者宅の防犯カメラに向かい叫んだことから、口論に発展したという。

 赤松さんの後輩男性は、

「学生時代、素行が悪かった。じゃなきゃ、あんな時間に怒鳴り込みに行かない。“あの人はまだそんなことをしているのか”と話す友達もいた」と話す。

 一方、

「警察も当初は、赤松さんが挑発したと見ていたようですが、実際は違いました。深夜に怒鳴り込むというのはトラブルのもとですが……」(前出・70代男性)という声も。

 犯行現場近くにある赤松さんの実家。父親に話を聞くと、

「息子が殺されたという事実があるだけです。犯人の処罰について考える余裕はありません。まだ何も手につかなくて、日々の生活もままなりません。警察から、息子は悪くないと聞き、それだけはよかったという思いです」

 佐藤容疑者が赤松さんを20数か所メッタ刺しにしたことから、恨みの蓄積がうかがえる。同僚の小笠原さんの刺し傷は胸に3か所。よほどの“トラブル”があったのかもしれないが、飲み会後に2人が、佐藤容疑者に関わったことが悔やまれる。