──先生が“少女マンガ”というときの、自分の中の定義みたいなものはありますか?

“少女が多感な時期に読むマンガ”ですね。自分がそういう時期に読んですごく救われたから。行く末の定まっていない時期って不安だし、目の前の勉強はやらなきゃいけないけれどやりたくないし、でも、もう幼子のように無垢でもない。そんな時期に読むマンガですかね」

池田理代子『ベルサイユのばら』。「初めて作った同人誌はベルばら本です」(よしながさん)
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──今後、描いてみたいテーマはありますか?

「芸能界ですね。とはいえ私、『土曜ワイド劇場』が大好きだったんですけど、2時間サスペンス枠がこの世からなくなってしまって、いま再検討中です(笑)」


《PROFILE》
よしながふみさん ◎1971年生まれ。ペンネームは吉永小百合と檀ふみから。『西洋骨董洋菓子店』『愛すべき娘たち』など多くの代表作を持つ。現在は『大奥』(MELODY)『きのう何食べた?』(週刊モーニング)を連載中。また同人サークル『大沢家政婦協会』の主宰としても活躍。

(※1)BL…ボーイズラブ。少年同士(広義では男性同士)の恋愛を描いたもの。竹宮惠子『風と木の詩』(白泉社文庫)、萩尾望都『トーマの心臓』(小学館文庫)をルーツとし今やその市場規模は200億円以上。 
(※2)『セーラームーン』…武内直子『美少女戦士セーラームーン』(講談社)のこと。
(※3)『愛すべき娘たち』…女の生きづらさをテーマに描いた連作集。白泉社刊。
(※4)『愛がなくても喰ってゆけます。』…実際の飲食店が登場するグルメ連作集。一応フィクションで主人公は「YながFみ」とされているが、たぶんに現実の出来事も描かれている。太田出版刊。
(※5)『西洋骨董洋菓子店』…よしながふみの出世作。ゲイの天才パティシエ小野とゲイ嫌いのオーナー、元ボクサーの見習いパティシエの3人が人気洋菓子店で繰り広げる物語。新書館刊。
(※6)『大奥』…男女を逆転させて描かれた徳川幕府200年の歴史物語。17巻まで刊行中、いよいよ佳境に。白泉社刊。
(※7)『風と木の詩』…フランスを舞台に少年愛を描いた竹宮惠子による歴史的名作。現在は白泉社文庫版が発売中。
(※8)『日出処の天子』…聖徳太子を超能力を持つ同性愛者として描いた山岸凉子の名作。
(※9)『キャンディ・キャンディ』…原作・水木杏子、作画・いがらしゆみこによる大ヒット少女マンガ。現在は諸事情により絶版。
(※10)アンソニー…主人公キャンディの思い人。きつね狩りの際に落馬して命を落とす。
(※11)『ベルサイユのばら』…池田理代子がフランス革命を描いて社会現象になったメガヒット作品。よしなが先生はアンドレが好き。
(※12)24年組…昭和24年ごろに生まれた萩尾望都、竹宮惠子、大島弓子、山岸凉子らを表す総称。従来の枠組みにとらわれない作品を発表、少女マンガの新時代を拓いた。
(※13)萩尾望都…今なお圧倒的な作品を作り続ける少女マンガ界の生ける伝説。代表作に『ポーの一族』『トーマの心臓』など。
(※14)大島弓子…『綿の国星』『バナナブレッドのプディング』など美しく叙情的な物語世界は多くの少女を魅了。
(※15)ジルベール…竹宮惠子『風と木の詩』に登場する性悪だが小悪魔的な魅力のある少年。『何食べ』で登場人物のニックネームに。
(※16)『モーニング』…講談社の青年マンガ誌。『コウノドリ』『GIANT KILLING』などが人気。最近は『ハコヅメ』『サイクリーマン』がおもしろい。
(※17)『なかよし』…講談社の少女マンガ誌。来年で創刊65年。『キャンディ・キャンディ』『美少女戦士セーラームーン』など数多くの名作を生み出してきた。