新型コロナウイルスの感染拡大により、緊急事態宣言の対象が全国に広がった。感染を防ぐため、他人と約2メートルの距離を保つソーシャルディスタンス(社会的距離)の考え方も広がりつつある。

 そんな中、感染対策の基本である手洗いをダンスでわかりやすく教えてくれる、手洗い動画Wash Your Hands』が話題を集めている。

4月3日に公開されるとファンを中心に一気に拡散され、4月17日現在で260万回再生を突破するほどの人気に。ジャニーズ事務所所属で振付師としても活躍する屋良朝幸さんが考案したダンスは、手洗いを楽しくできると子どもたちからも大人気です」(アイドル誌編集者)

嵐の手洗い動画の魅力とは

 手洗いダンス動画では、厚生労働省のHPで紹介されている「流水でよくぬらしたあと、石けんをつけ、手のひらをよくこする」「手の甲をのばすようにこする」「指の間を洗う」といった正しい手洗いの方法が、キャッチ―なリズムとともに紹介されている。

 動画のコメント欄には《手洗い嫌いだけど、手洗いする時にこの歌思い出すから手洗い好きになりそう》と絶賛のコメントが相次いでいる。思わず踊り出したくなるような手洗いダンスだが、なぜここまで子どもたちに人気が出たのか。芦田愛菜と鈴木福が歌って'11年にヒットした『マル・マル・モリ・モリ!』のダンスを振り付けした濱田“Peco”美和子さんに聞いてみると、

『マル・マル・モリ・モリ!』の歌にも共通するのですが、“すりすりWash”“のびのびWash”といった同じ言葉を繰り返す部分が、子どもたちには言いやすく、覚えやすくて楽しく感じるんだと思います

 また韻を踏んでいる歌詞、そしてこのような取り組みも絶賛する。

冒頭の“はじめまし手”から“〇〇手”と韻を踏みつつ、手のこともちゃんと意識させている動きも素敵ですね。そして何よりも嵐のみなさんが楽しく踊っていて、子どもだけではなく、大人も共感を得られるので、みんなで踊りたくなるのだと思います。楽しく歌って踊ることは、笑顔になる魔法ですね」(濱田さん)

 エンタメ事情に詳しいフリーライターの大塚ナギサさんは、YouTubeで公開されたことも大きいと指摘する。

今の子どもたちは物心ついたときからYouTubeがある環境で育ったため、YouTubeは身近なツール。好きなときに何度も見られるというのも大きいでしょう。テレビ発であれば、逆にここまで話題にはならなかったと思います

 また子どもたちなりに、危機感を感じている証拠では……と続ける。

「学校が一斉休校になったり、いつもは家にいない親が自宅で仕事をしていたりと、子どもたちも新型コロナウイルスで世の中が大変なことになっているというのは、薄々気づいているんでしょう。しかしニュース番組は難しい言葉で伝えているため、どうしていいのかわからない。

 そんな中、嵐がわかりやすく教えてくれることで、“自分たちでもできること”を知れたということも大きいのでは。940万回再生を突破した人気ユーチューバーのヒカキンが小池都知事にコロナのことを質問する動画も、同じような理由で子どもたちを中心に支持されているんだと思います」(大塚さん)

 終わりが見えないコロナ自粛だが、嵐の動画を見れば楽しく感染を防げるはず!