大阪府箕面市/マダムシンコの『マダムブリュレ』

 大阪人の大好きなヒョウ柄。そのヒョウ柄の威力を存分に発揮しつつ、圧倒的な存在感と人気を誇るスイーツが、マダムシンコの『マダムブリュレ』だ。メープルシロップをしみ込ませたバウムクーヘンの表面に、フランス産の赤砂糖をたっぷりまぶし、クリームブリュレのようにカラメリゼしたという、これまでなかった至極の味わい。また、“常温・加熱・冷凍状態”という、3種類の楽しみ方ができるというのも魅力のひとつだろう。

 いまや大阪名物としてはもちろん、バウムクーヘンの代名詞にもなりつつあるこのマダムブリュレ。素材から食べ方、個性的なパッケージまで、「マダムシンコ」こと川村信子会長のこだわりが細部まで詰まったこの人気商品は、カラメルのようにほろ苦い人生の努力と涙の結晶でもある。

 裕福でなかった幼少期、誕生日に母が焼いてくれた、ホットケーキが年に1度の贅沢だった──。

 その後、家庭環境に反発して家を飛び出し、18歳から働きづめだった信子会長。銀座の高級クラブのオーナーママだったことも。バブル崩壊の兆しを見据えて帰阪、焼き肉店や和菓子店などを経営する。しかし狂牛病騒動や従業員の裏切りにあい、多額の借金を抱えることに。

 そんな、お金もスタッフも足りない中、試行錯誤を重ねて考案したのが、マダムブリュレだった。誰もが懐かしむであろう「母の味」であるホットケーキ。それをベースにした味わいに、ひと工夫をしたら、新しいのに親しみやすい味に──。このコンセプトは大いに当たり、今に至るというわけだ。

 華やかなパッケージの中にある、努力と涙の結晶。甘くてほろ苦いけれども、かけがえのない思い出もたくさんあるはず。マダムブリュレをともにしたコーヒーブレイクは、自分の人生を振り返る素敵な時間になることだろう。

福岡県福岡市/東雲堂の『にわかせんぺい』

『にわかせんぺい』
『にわかせんぺい』

 初めて見たら、その愉快なビジュアルに笑ってしまう。八の字眉にタレ目などとぼけた表情を焼きつけた『にわかせんぺい』は、地元の郷土芸能“博多にわか”を演じるとき、顔につける半面をかたどった甘いせんべい。博多にわかとは最後に面白いオチがつく会話劇で、即興で繰り広げるものもあるそうだ。

“にわか面”が菓子となったのは、1906(明治39)年のこと。東雲堂の初代当主が、博多駅の駅長から「博多らしい土産物がない」と相談され、博多にわかが好きだったことから作り始めた。

 正式な商品名は『二○加煎餅』で、発売当初から「せんぺい」と呼んでいたのは、「そのころの博多弁だったのでは。本当なら『しぇんぺい』だったと思われます」と、6代目当主を継いだ高木雄三さんは推測する。

 ほぼ砂糖に小麦粉、鶏卵だけで作る素朴な味だが、その日の気温や湿度によって、職人が微妙に調整しながら焼き上げている。飽きのこない美味しさは、地元でいつの時代も年齢を問わず親しまれてきた。何も食べられなくなったおばあさんが、亡くなる前ににわかせんぺいを欲しがり、家族が小さく砕いて食べさせてあげたという話も。

 また、ユーモラスな表情はもともと男面、女面、年寄り面、若者面の4種類だったが、'04年ごろにウインク面を追加。サイズは特大・中・小とあり、中サイズだけ丸みをつけた形状で、より香ばしい。

 箱入り商品には、すべて紙製のにわか面のおまけつき。SNSには、にわかせんぺいを目のあたりにサッと掲げて撮影する画像が数多く並ぶ。遊び心を誘う銘菓なのだ。

 最近はさまざまなコラボが実現して、ドラえもん、ワンピース、サンリオキャラクターに東方神起などのにわかせんぺいが、ファンを喜ばせた。買った人だけでなく作り手も楽しんでいて、ますます遊び心が満載なのだ。

【上記5つの銘菓の注文はコチラ】
1.柳月
電話:0120-25-5566 住所:北海道河東郡音更町下音更北9線西18-2スイートピア・ガーデン
●三方六プレーン680円。三方六メープルは720円。三方六の小割5本入り650円(すべて税込み)

2.飯島商店
電話:0120-511-346 住所:長野県上田市中央1-1-21
●みすゞ飴角袋入508円(税込み、以下同)、和紙包装40粒1156円、《2020新物》【四季のジャム】完熟いちご長野県産L(580g)972円ほか

3.銀座ウエスト
電話:0120-73-5622 住所:東京都中央区銀座7-3-6
●リーフパイ5枚袋入り648円、8枚箱入り1296円。リトルリーフパイ90g入り2808円【ひと口サイズのリーフパイ】(すべて税込み)

4.マダムシンコ
電話:06-6468-4538 住所:大阪府箕面市今宮4-10-44
​●マダムブリュレ1600円、【春季限定】いちご棒ブリュレ1300円、ストロベリーバウム1700円(すべて税抜き)

5.東雲堂
電話:092-611-2750 住所:福岡県福岡市博多区吉塚6-10-16
​●にわかせんぺい 小3枚入×4箱540円、特大3枚入648円、中3枚入×8袋1296円。にわかもなか6個入540円(すべて税込み)