毎年再放送もされてきたが、'09年からは“お蔵入り”状態でまったく音さたがなかった。その理由は、出演者の不祥事にあると言われている。

「出演していた押尾学さんが、'09年に麻薬取締法違反で逮捕されました。最終的に懲役2年6か月の実刑となり、芸能界を引退。再放送の見送りに無関係とは言い切れません」(芸能プロ関係者)

ドラマ内には懐かしさがいっぱい

『やまとなでしこ』を改めて見てみると、この20年間で社会の常識がずいぶん変化したことを、何度か意識せざるをえない場面も。

「劇中では合コンのシーンが何度も描かれます。そこで始まるのは“山手線ゲーム”。ちょっと懐かしいですよね。お題に合った答えを順番にしていき、答えられなくなった人が負けというゲームですが、この遊びを知らない若い人は、30歳前後の男女が嬉々として遊んでいるのを見て変に思うかも。今ではなかなか見ない光景ですからね」(テレビ誌ライター)

 特に、時代の違いを容赦なく見せつけるのが携帯電話だ。

当時の携帯電話の人口普及率は42%ほど。持っていない人のほうが多かった。まだ固定電話が主流の時代でした」(一般紙記者)

 桜子が帰宅後に自宅の電話の留守電メッセージを聞くシーンも時代感がある。スマホも当然なく、劇中に登場するのはすべて“ガラケー”だ。

通話時に携帯のアンテナを伸ばしたり、電話がかかってくると“着メロ”が鳴ったり。もはや死語ですが、着メロは当時の最先端。桜子の着メロは『森のくまさん』でした」(前出・テレビ誌ライター)

 桜子の職業にも時代が表れている。彼女は“スチュワーデス”と名乗っていたが、今はそういう呼び方はしない。

“キャビンアテンダント”略して“CA”です。“スチュワーデス”という言葉は、性差別的として現在は使われていません。“スッチー”なんて略し方は、今だったら完全にNG。性差別に対する問題意識が世界的に広がっていますからね」(航空会社関係者)

 しかし、描かれた“愛の真実”は変わらない。

「少し舞台は古くさくても、いつの時代にも響く普遍的な王道のラブストーリーですね」(木村さん)

 桜子の心情も、20年前よりも現実味を増している。

金の亡者のように見える桜子ですが、“お金は大切”というのは真実。その本音は当時よりも、リアルに生々しく響く人が多いのではないでしょうか」(田幸さん)

 時代を超えて愛される作品として定着しそうだ。