資産を増やすうえで大切なのは、積み立てタイプの投資信託にすること。積立貯金と同様に、毎月、一定額を自動的に買い増していくという投資信託で、紹介した田口さんおすすめの投信も積立タイプ。

「投資信託も株式と同じように、日々、価格が変動しますが、日々の値動きで一喜一憂しないことも忘れずに。長いスパンで見ると着実に値上がりしていきます。私も10年以上ある投資信託の積立をしていましたが、年平均7%の利回りで資産が増えました。積立投信は投資で増えた分もそのまま再投資に回るため、複利効果が得られ、ざっくりですが10年で元手が2倍以上になったのです。もちろんリーマンショック後などマイナスに転じる年があっても、焦らず放っておきましょう

 ある程度すでに財産がある人はまとめて投資信託を購入したくなると思いますが、時期をずらして分散購入することで値下がりリスクを軽減させるのが賢い方法です。

 老後の資産にするなら個人型確定拠出年金iDeCoを利用したり、金額に制限はありますが、つみたてNISAを利用すれば税金も優遇されるのでおすすめです。

《3. 生み出す》増えたお金をさらに増やす

 ステップ2で紹介した積立投信によって、半年分の生活費程度の資産がたまったら次へ。増えたお金をさらに増やす、生み出す資産運用に回しましょう。

 ポイントは十分な配当金です。配当金は投資の利益から分配されるお金。投資信託や株などの金融商品を保有しているだけでもらえます。

「利回りのいい配当金が得られる投資信託はたくさんありますが、資産形成タイプのように一概にこれがよいと選ぶのが難しい。ただ、Jリートはいい選択肢のひとつです。

 Jリートは不動産投資信託で、集めた資金で複数の不動産を購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配するもの。個人でマンションなどを購入して不動産投資をする方法もありますが、Jリートなら少額で投資でき、さらに自動的に複数の物件に分散投資できるのでリスクが低いといえます。加えて、最大のメリットは収益のほとんどが分配されること。ただし、金利が上昇したときなど、リスクが高まることを念頭におくこと」

 投資は分散が大切。投資信託自体に分散投資の効果がありますが、さらに複数の投資信託を所有すればリスクはより軽減。さまざまな投信を調べて目を養ってください。

「ただし、なかには詐欺的な投信もあります。証券会社を通すなら違法性のある投信は避けられますし、専門家に相談し慎重に選んでください」

 賢く運用して、破産の心配のない老後を目指しましょう。

貯金と投資の違い
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(構成・文/鷲頭文子)


【PROFILE】
田口智隆さん ◎株式会社ファイナンシャルインディペンデンス代表取締役。勤め人だった20代に、破産寸前まで膨らんだ借金をわずか数年で完済。自らの経験を生かしたマネーカウンセリングやセミナー活動を積極的に行う。『28歳貯金ゼロから考えるお金のこと』(KADOKAWA)『お金が貯まらない人の悪い習慣39』(マガジンハウス)『お金は、貯金に頼らずに守りなさい。』(きずな出版)ほか著書多数。

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