記者はそのマネージャーにも取材を申し込んだが、条件が折り合わず実現しなかった。

法律的見解は……

 マスクを着用しない客に対して入店拒否することは店の対応として問題はなかったのか。『フロンティア法律事務所』の黒嵜隆弁護士が解説する。

今回のように、コロナ禍でマスクを着用していない人の入店を断ることは認められると考えます。飲食店の感染防止対策は政府や地方自治体の方針でもあり、入店の際に一律にマスク着用を求めることは感染防止対策として妥当な対応であるからです

 それでは、堀江氏のフェイスブックでの投稿はどうか。

刑事上の名誉毀損罪や業務妨害には該当しないと考えます。“まじやばいコロナ脳。狂ってる”といった文言などで、お店の営業を妨害する意図まで認められるかは疑問です

 ただし、民事上の不法行為として損害賠償請求を受けることはありえます。堀江氏は自身が持つ影響力の大きさから、自分の投稿の結果として、お店がSNS上で攻撃の対象となることを想像することはできたはずだからです

 堀江氏は10月5日にも、ツイッター上で「俺はムカついたのでマスク原理主義ムカつくーってFB(フェイスブック)に書いただけ」と投稿し、営業妨害を否定している。

 もし民事訴訟を起こして勝つことができても、見合った賠償が得られるとは限らない。結局、立場の弱い側が泣き寝入りする場合が多いという。

今回の騒動で有名になっただろうと言われるなら迷惑な話です。大事なのは名誉やお金じゃない。私は家族と幸せに過ごしたいだけなんです。お客さんが喜んでくれたらそれでいいんです

 と、川端さんは妻の回復を待ち、希望を捨てていない。

 自身の影響力を顧みなかった堀江氏にも問題はある。しかし、最も糾弾(きゅうだん)されるべきなのは、イタズラを行った匿名のネットユーザーたちだろう。