「京都・東山区の南座で『鬼滅の刃×京都南座 歌舞伎ノ舘』という企画展が開催されています。展示にとどまらず、『鬼滅の刃』が歌舞伎化されるというウワサもあります。市川海老蔵さんはこのコラボ案に関して、“具体的にやれることになれば、私のような年齢の人間は若者を応援する立場”と、あまり乗り気ではなさそうでした」(スポーツ紙記者)

 映画『鬼滅の刃』は12月6日までに興行収入約288億円を記録。現在、苦境に立たされている歌舞伎界としては、この勢いを借りたいに違いない。

「新型コロナウイルスの影響で、3月から東京の歌舞伎座は公演を中止。8月1日にようやく公演を再開しましたが、感染予防のために席を間引いています。歌舞伎座は約2000人が観劇できますが、今は約820席限定です。“待ってました!”などと声をかける“大向う”も、飛沫が飛ぶので禁止になりました」(歌舞伎座スタッフ)

コロナで親子襲名が延期になった

 本来ならば、今年は大イベントが行われる予定だった。

「昨年1月14日に海老蔵さんの十三代目市川團十郎白猿の襲名と、長男の勸玄くんの八代目市川新之助襲名が発表されました。春には襲名披露公演が行われることになっていましたが、コロナで延期になっているんです」(梨園関係者)

 歌舞伎界にとって襲名延期は大きな打撃だ。

「市川家は歌舞伎界で最も権威のある流派。中でも團十郎は“宗家”と呼ばれる大名跡です。現在の歌舞伎の型を創始したのは初代・市川團十郎と言われていますからね。その名跡を継ぐ公演ですから、文化的にも興行的にも特別な意味を持っています」(市川家に近い人)

 だからこそ、海老蔵は停滞する歌舞伎界に焦りを感じている。

マンガイベントの『東京コミコン2020』ではアンバサダーを務め、若い人に歌舞伎の魅力をアピール。ユーチューブで家族の動画を配信したりして、新しい試みにも積極的です」(芸能プロ関係者)