母親の実家は資産家だが、住まいは安アパート

 昨年まで働いていた埼玉県内の介護施設のHPには、〈母親が保育士をしていたことで、福祉に関心を持った〉と綴っていた。

 また容疑者は若くして離婚歴があり、その後も母親とふたり暮らしで、家事を任せきっていたことからも、母に甘えていたことがうかがえる。

 母親の実家は、いくつも会社を経営する資産家。遺体遺棄現場となった那須の別荘など不動産も複数所有している。

 一方、容疑者と母親が暮らしていたのは築50年の安アパート。実家からの援助はなかったのだろうか。

 母親の実家で容疑者の離婚歴など家庭事情を尋ねると、

「(深い付き合いのない)親類だから詳しくは知りませんね。いつ結婚したのかも記憶にありませんねぇ」

 と親族間の“断絶”をうかがわせた。

容疑者と母親が同居していた部屋。逮捕直後に引き払われ、現在は空き家状態
【写真】容疑者と母親が同居していた築50年の安アパート

 嫌がらせのように親族の別荘地で遺体を遺棄したことからも、容疑者がよい感情を抱いていなかったことがわかる。

 これらの心情について新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(犯罪心理学)は、

「親の実家が裕福なのに家が貧しい状況を容疑者は受け入れられないのでしょう。お金があれば、母親の愛情をもっとたくさん注いでもらえたのにと、実家に対してコンプレックスを抱いたのでは」

 と分析する。

 無残な殺人現場の舞台裏に、屈折した親族関係が浮かび上がった。