'20年3月に亡くなった志村けんさんがMCを務めていた番組『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)。そして同番組を引き継ぐ形で、'20年10月に始まった相葉雅紀がMCを担当する『I LOVEみんなのどうぶつ園』。

 ともに動物を扱う番組だが、週刊女性PRIMEでは、両番組の “問題”についてたびたび報じてきた。

●『志村どうぶつ園』のプリンちゃんが危ない! 動物園で「強要的なショー」か('20年7月4日配信)

相葉雅紀の『どうぶつ園』 視聴率優先で軽視した“絶滅危惧種への感染リスク”('20年12月12日配信)

 7月の記事は、『志村どうぶつ園』において、番組に出演していたチンパンジーのプリンちゃんが、嫌がる素振りを見せているにも関わらず、強要的にショーを行っていたこと。

 12月の記事は、『I LOVEみんなのどうぶつ園』において、同じくプリンちゃんに自転車を教えることの問題点と、人間以上に新型コロナウイルスに感染しやすいとの説もあるチンパンジーに、このコロナ禍にわざわざ都内から会いに行くことについての感染リスクについて報じた。

服を着せて補助輪のない自転車に乗せる調教は……

 プリンちゃんを飼育しているのは、熊本県阿蘇市にある『阿蘇カドリー・ドミニオン』。週刊女性PRIMEが報じてきたように、専門家が苦言を呈する飼育方法を行っている疑いのある同園だが、昨年末ついに自治体による立ち入り調査と注意が入ったという。

 該当とされたのは、昨年11月14日に放送された“相葉雅紀がプリンちゃんに自転車を教える”回だ。不適切な動物の取扱いをしている業者への規制強化を求める活動を行う動物保護団体『PEACE』代表の東さちこさんは、次のように指摘する。

番組を見ながら撮影場所を確認すると、カドリー・ドミニオンの駐車場で、一般道との間には塀や囲いはなく、少し走ったら敷地外に出られる場所でした。特定動物(チンパンジー)を、許可を受けた飼養保管施設から出して撮影すること自体は違法ではないですが、十分な強度を有する首輪や引綱(リード)などをつけて、自治体に届け出を出す必要があります。ただし、撮影時間が1時間未満の場合については、この限りではありません

 東さんによると、環境省が定める『展示動物の飼養及び保管に関する基準』には、以下のような定めがあるという。

《動物に演芸をさせる場合には、演芸及びその訓練は、動物の生態、習性、生理等に配慮することとし、動物をみだりに、殴打し、酷使すること等は、虐待となるおそれがあることを十分認識すること》

《撮影方法 動物本来の生態及び習性に関して誤解を与えるおそれのある形態による撮影が行われないようにすること。また、撮影の時間、環境等を適切なものとし、撮影動物に過度の苦痛を与えないようにすること》

服を着せて補助輪のない自転車に乗せる調教をすることは、動物の生態、習性、生理などに配慮していない不自然なものなのでアウトですし、別に殴ったりしていなくても、いちいち恐怖やストレスを与えるようなことをさせなくていいでしょう。プリンちゃんに自転車を教えようとして、補助輪を外した状態で何度もこがせていましたが、そのたびに自転車が倒れそうになっていました。プリンちゃんを脅かすような撮影は、規定にも違反しているのではないかと考えます」(東さん)