もぐらの人形が、ブタの人形に扮した顔出しNGのゲストから本音を聞き出し、掘り下げていく人形劇×赤裸々トーク番組『ねほりんぱほりん』(NHKEテレ)。人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)との新春スペシャル版でのコラボでバズり、有名人にもファンが多い番組の気になるツボを根掘り葉掘り、制作統括の大古滋久チーフ・プロデューサーに直撃しました!

Q1 番組企画のきっかけは?

 視聴者のNHK離れ、そしてテレビ離れが進んできたことですね。特にNHKは若い世代に全然見られていません。なんとかしてネットを見る人たちを呼び込めないかということで、若者たちの声を集めて、ネットとの親和性のある番組を作ろうと思ったのがきっかけです。

 そこでまず、手当たり次第に人気ブロガーに会って人気の秘密を聞いたら、“顔出ししないから思い切ったことが言える”と異口同音におっしゃっていた。予想はしていましたが、テレビなので顔出しなしはきついとスタッフで話すなか、藤江という女性ディレクターが「パペットを使いますか!」と言った。そこから、番組の企画が一気に動き出しました。

 通常、顔出しNGの方に出演してもらう場合は、モザイクやお面、すりガラスを使うのを人形劇でやろう、と。人形劇をモザイクの進化系として使うことにしたんです。

Q2 トーク番組にした理由は?

 当初は、人気ブロガーたちが言いたいことを言う番組を作ろうとしていました。でも、それは『朝まで生テレビ!』でやってて、しかも出演者は顔出し実名。検討するなかでネットのスレッド(掲示板)で“〇〇だけど、質問ある?”が人気だと知りました。

『ねほりんぱほりん』(C)NHK

 扱っているのは“刑務所を出たけど、何か質問ある?”“テレビのADだけど、質問ある?”みたいなテーマですが、これをきちんと裏どりをして制作すると公共放送でやれるのではないかと。かくして、その人たちにあれこれと聞き出して“掘る”番組、聞くのはもぐらの人形という骨格ができました。
 
 タイトルは最初、『ねほりんはほりん』でしたが、'15年7月にパイロット版(単発番組)を放送後、大阪の民放で過去に『ブラックマヨネーズのネホりん!ハホりん!』という特集番組があったことがわかり、『ねほりんぱほりん』に変えました。

Q3  人形劇にしたことで苦労したこと、逆によかったことは?

ねほりんの声の山里と、ぱほりんの声のYOUの聞き役が絶妙 (C)NHK

 苦労するのは制作時間がかかることです。山里さん、YOUさんとゲストのトーク(1時間半)を収録して、30分の音声に編集。その後の人形制作(服装や髪型など)に2週間かかり、人形劇の収録、編集をします。1本を制作するのに最低3か月はかかっています。
 
 よかったことは人形劇にしたことで、どぎつい暴露話もどこか柔らかく聞けてしまう。人形なのに生身の人間が話しているようにも見えてくる。カメラマンも「人間だと思って撮るんだ」と言ってくれます。

 すごいのは操演さんといって人形を動かす方たちの技です。はにかんだり、クスッと笑ったり、泣きの演技では身体を微妙に震わせたり、ほんのわずかな動きによって人形で気持ちの部分まで表現できるんです。人形劇赤裸々トークショーと言っていますが、子ども番組伝統の人形劇と大人の暴露トークが融合できたのは、操演さんたちの力が大きいと思っています。

 操演は、ブタは1人。もぐらは身体だけでなく目の動きを操るため2人がかりでしたが、新型コロナの感染予防対策で、去年秋からのシーズン5では目の動きをリモコン操作できるようになり、目の担当は距離を保って操演しています。