理想的な腸には、約100兆〜1000兆個の細菌がいて、善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見(ひよりみ)菌が7割で存在する。健康で過ごすためには身体に悪い影響を及ぼす悪玉菌が増えないよう、善玉菌を増やし、2つのバランスを保つことが重要。その善玉菌のほとんどを占めるのが乳酸菌。腸内環境を整えるには、乳酸菌は欠かせない存在なのだ。腸内細菌や乳酸菌に造詣が深い、大隅鹿屋病院内視鏡センター長の後藤利夫先生によると、

「ところが、50代を過ぎると善玉菌は一気に減少。なかでも、乳酸菌の仲間であるビフィズス菌は乳児の約100分の1しかいなくなります。年齢を重ねるほど、乳酸菌を積極的にとる必要があります」

 乳酸菌は、さまざまな身近な食材に含まれるが、もっとも手軽にとれるヨーグルトがおすすめ。

「ヨーグルトはビタミンAやB、カルシウム、タンパク質などの栄養も豊富。発酵食品なので腸への負担が少ないのも魅力です」(後藤先生)

 そこで、後藤先生と管理栄養士の吉野愛さんに、ヨーグルトの健康効果を高められる食べ方を取材して、Q&Aにまとめました。

身体にいいヨーグルトの食べ方

【Q】日替わりでいろいろな種類を食べるほうがいい?
【A】×

「ヨーグルトを食べても、腸内の乳酸菌が一気に増えるわけではありません。腸内環境が変わるには時間が必要。少なくとも2週間は、同じものを継続して食べましょう」(後藤先生)

 2週間続けて食べ、体質改善の効果を感じたらそのまま同じものを食べる習慣に。あまり効果を感じなければ、ほかを試し自分に合う菌を探そう。

【Q】食べるのは、食前より食後がいい?
【A】○

「食前より食後のほうが胃酸が薄まっていて、乳酸菌が生きて腸まで届きやすいです。果物でもよいので、先に何か食べましょう」(後藤先生)

 食べる時間は、朝・昼・夕食後のいつでもよいが、「いつ食べるか決めて、習慣化することが大切。血糖値や血圧などへの効果を期待するなら、1日3回、毎食後が理想」だそう。