お金持ちの「貯まる口ぐせ」10選

【1】「コロナだからこそ」

 お金持ちは苦境もチャンスと考えられる。「変化している状況を見ながらすばやく対応できる人は強い。実際、コロナを逆手にとって儲けている人はけっこういます」(花輪さん)。「ただ不安がるのではなく、不安材料を直視し冷静に分析。解決する方法を具体的に考えてみると買いだめなど無意味な散財がなくなるはず」(山名さん)

【2】「今日はいいことが〇個あった」

 「毎晩寝る前に、その日あったいいことを3つあげてみて。小さなことでもOK。いいことに目を向けるくせがつくと、チャンスもしっかりキャッチできるように。心が安定して睡眠の質も上がり、家事や仕事もはかどります。それらがまわりまわってお金が貯まる体質に」(山名さん)

【3】「これって本当に必要?」

 セールで安さにつられて買い込んで、結局使わず、安物買いの銭失いに……。それを繰り返していてはお金は貯まらない。「自分にとって必要か、長く使えるか、ちゃんと使い切れるか、買い物のつど自分に問いかけて」(花輪さん)。「見栄を張らず、本当に必要なものを吟味すると、意外と買い物が少なくすみます」(山名さん)

【4】「これでよかったんだ」

 ちょっとした失敗にくよくよしないこと。「自分の心に従って自分で決断したことなら、失敗したとしても納得できるはず。それを教訓にして、次につなげる、そういう姿勢が大事」(山名さん)。自分の行動を「これでよかった」とポジティブに振り返るくせをつけると、次のお金を生み出す行動につながる。「やっぱりダメだった」と否定ばかりしてはダメ。「不安と冷静に向き合う人が確実にお金を貯めています」(山名さん)

【5】「それは必要ありません」

「お金持ちは、いらないものは、情に流されず、相手に気を持たせることなく、早い段階で“いらないわ”と断ります」(花輪さん)。「相手を尊重しながらも自分の主張もきちんと伝えて自分の心も守る伝え方(アサーティブコミュニケーション)を心がけるといいですね」(山名さん)

【6】「言い訳せず動く!」

 新しい情報や提案に出合ったとき、「失敗するかも」と尻込みしがち。「一方、お金持ちは、リスクがあるのは承知のうえで、行動します。もちろん失敗することもありますが、そうした行動の積み重ねが資産の差となって現れるのです」(花輪さん)。「行動できない人は、“1000万円貯金する! ”など最初に宣言すると、行動につながりやすいです」(山名さん)

【7】「最近、○○できるようになってきたよね」

 貯金しようとしているとき、家族が協力的でないと、つい「またムダ遣いして! 」などと責めたくなるもの。すると、言葉による「ラベリング効果」で相手はますますその言葉どおりの人間に……。「相手ができるようになったことを見つけ、ポジティブな言葉で褒めるほうがいいですね」(山名さん)。相手も協力的になり、家庭のお金の巡りがよくなる。

【8】「持ちつ持たれつ」

「お金持ちって、意外に人に頼ったり、頼られたりすることをいとわないんです。“うちの店の宣伝よろしく! ”とか気軽にやりとりする傾向がありますね」(花輪さん)。「メリハリは大事ですが、与えることで、人に喜ばれ、心理的に、自分の心も安定します。それにより、お金の使い方・貯め方にも好影響があるのです」(山名さん)

【9】「年間だといくら?」

「お金持ちは長期的なトータルコストがいくらかかるのか、そしてそれを払う価値があるかしっかり見ています」(花輪さん)。例えば「1か月無料! (でも2回目以降は月3000円)」といった目先の得につられ、ずるずるお金を払い続ける羽目にならないよう注意しよう。

【10】「やっぱりお金は大事!」

 一般的に、お金に執着するのは下品だと考える人は多い。「でも実際には、お金がないと手に入らないものは多いし、好きなことに打ち込む自由も損なわれます」(花輪さん)。お金持ちはその現実がきちんとわかっている。「お金がなぜ必要かしっかり考えて。そうすると、お金を大切に管理できるようになります」(山名さん)

教えてくれたのは……花輪陽子さん・ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、貯金評論家。日本とシンガポールで活躍し、富裕層の情報にも詳しい。著書に『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)など。
教えてくれたのは……山名裕子さん・公認心理師。2014年にカウンセリングルームの「やまな mental care office」を開設。カウンセリングの大切さを伝えるために心の専門家としてメディア出演や講演、執筆活動のほか、企業にてメンタルヘルスに関する指導・助言などを行う。著書に『幸せを引き寄せる「口ぐせ」の魔法』(ダイヤモンド社)など。