こんなときどうする? 非正規のトラブル別対処法

 不当な扱いで損をしないためにはどうすればいいのか。非正規にありがちな事例から学びましょう! 

時給が約束と違っていた

 保育園で時給1200円のパート募集に応募し採用されましたが、初めての給料は時給1000円の計算。質問すると3か月間は試用期間と言われました。

→賃金や期間を明記した労働契約書をもらっておく

 この場合、契約時に雇用主とどのような約束事を交わしたかが問題に。雇用契約書や労働条件が明示された通知書を確認し、その記載どおりの履行を求めるべきと岡野さんは指摘する。

「交わした書面に『3か月間は試用期間で時給1000円』と記されていなければ、本来約束されていた時給1200円を請求できます」

 雇用契約書などの書類がないときはどうすればいい? 

仕事探しや、応募の際に目にした募集要項が証拠になります。募集要項と実際の給与や待遇などが違っていたら、会社側に問いただせるのです」

 正社員、非正規社員を問わず、働くときは労働契約を結んで仕事に従事する。その際、雇用主は賃金など労働条件を書面で交付して説明することが法律上義務付けられている。

「労働条件通知書の交付を怠っていた場合、労働基準法15条違反にあたります。しかし労働条件を口頭説明ですませる会社もあるので、書面を要求したり、募集要項をとっておくのが望ましいでしょう

 パートの場合は、より詳細な労働条件の交付が義務付けられるようになった。

「『昇給の有無』、『退職手当の有無』、『賞与の有無』、『相談窓口』について書面等に明示する必要があります。2020年4月に施行されたパートタイム・有期雇用労働法の施行(中小企業は今月から施行)により、正社員と非正規社員との間の不合理な待遇格差を禁止したからです。働きだす前に条件を確認しましょう」