今でこそ“塩顔イケメン”とも称される星野だが、当時は丸刈りスタイルをトレードマークとしてドラマや映画にも出演。お世辞にもモテキャラとは言い難い“三枚目”の立ち位置だった。それでもコツコツと芝居に打ち込み、2010年のNHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』で松下奈緒演じる主人公の弟役を演じて注目される存在に。

NHK『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』制作発表にて。星野源と内村光良(2013年5月)
NHK『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』制作発表にて。星野源と内村光良(2013年5月)
【写真】丸刈り頭だった星野源、“コギャル”だった新垣結衣

 同年には音楽活動でソロデビューを果たし、2012年からは内村光良を中心としたNHKのコント番組『LIFE! 〜人生に捧げるコント〜』にも参加。学生時代に培ったコント経験を生かし、ここでも内村に可愛がられた。すべてが順調に進み始めた星野の人生。しかし、2012年12月にくも膜下出血と診断される。この時まだ31歳だった。

大病を経験して生まれ変わった

 幸いにして早期対処ができたため翌年の2013年2月に復帰するも、同年6月にまさかの再発。再手術を経て2014年2月に2度目の復帰を遂げた。

「大病をするまでは、どこかアーティストとしての孤独や苦しみを表現することが多かった星野くんですが、死の淵から戻ってからの彼は“生きることの楽しさ、素晴らしさを伝えたい”と曲調が前向きなものに大きく変わったのを覚えています。

 2015年に音楽活動のマネジメントを『アミューズ』さんに委託し、『SUN』で紅白初出場を果たし、翌年には『恋』をリリースして大ブレイク。以後の活躍は知っての通り、というわけです」(レコード会社関係者)

 こうしてトップアーティスト、人気俳優にのぼり詰めて行った星野だが、現在も彼の中の根本は変わらない。アミューズがマネジメントを受け持つのは「歌手・星野源」のみであり、今も「役者・星野源」は大人計画に在籍している。

「俳優業も大手のアミューズさんに任せれば、とは思うのですが、そこは星野くんとしても“譲れなかった”のでしょう。海の物とも山の物ともつかなかった彼を育ててくれたのは大人計画であり、勘三郎さんとも引き合わせてくれたわけで、彼らに不義理を働くような真似は絶対にしたくなかったのだと思いますよ。七之助くんとは今では親友同士ですしね」(前出・レコード会社関係者)

 そんな実直な彼にガッキーも惹かれたのだろう。丸刈りだった星野少年は“蕨の星”となり、そして国民的スターになった。