隙間時間で小脳は鍛えられる

 でも、ご安心を。小脳が衰えても、2種類の簡単なトレーニングで鍛えることができる。

 1つ目は、自分の左右の親指を交互に素早く見るというトレーニングで、もうひとつは、親指から目線を離さないようにしながら顔を左右に動かすというもの。

 どちらも自宅で簡単にでき、しかもトイレやお風呂に入ったときなど、隙間時間にできるのがうれしい。

「これらは小脳を刺激して、バランスの取り方を学習させるトレーニングです。実際に、めまいやふらつきなどで転倒リスクが高い20人にこのトレーニングを1年間やってもらったところ、95%の人で症状が軽減したという研究結果もあります」

 ちょっとした段差でうっかり転んで骨折……とならないよう、早いうちから小脳の力を鍛えるのがおすすめ。ぜひ、試してみてほしい。

転倒予防に!小脳トレーニング

【トレーニングの目安】
 左の2つのトレーニングを1セットとして、1回につき3セット行いましょう。朝昼晩1日3回行うと効果的です。
※ふらつきを感じる場合があるので、必ず座った状態で行う。気分が悪いと感じたら、無理せず中止すること。

■トレーニングその1

【1】両腕を真っすぐ前に伸ばし、両手の親指を立てる。

【2】頭は動かさずに目だけを動かして、左右の親指を交互に見る。これを10往復行う。

※目をできるだけ速く動かすのがポイント!

小脳トレーニング【1】両腕を真っすぐ前に伸ばし、両手の親指を立てる。【2】頭は動かさずに目だけを動かして、左右の親指を交互に見る。これを10往復行う。 イラスト/幸内あけみ
小脳トレーニング【1】両腕を真っすぐ前に伸ばし、両手の親指を立てる。【2】頭は動かさずに目だけを動かして、左右の親指を交互に見る。これを10往復行う。 イラスト/幸内あけみ
【イラスト】超カンタン! 転倒予防の「眼トレーニング」

■トレーニングその2

【1】右腕を真っすぐ前に伸ばし、親指を立てる。

【2】親指を見たまま、顔を左右に動かす。「1、2……」と秒数を数えながら20秒(20回)行う。

※目線は親指から離さないように!

小脳トレーニング【1】右腕を真っすぐ前に伸ばし、親指を立てる。【2】親指を見たまま、顔を左右に動かす。「1、2…」と秒数を数えながら20秒(20回)行う。 イラスト/幸内あけみ
小脳トレーニング【1】右腕を真っすぐ前に伸ばし、親指を立てる。【2】親指を見たまま、顔を左右に動かす。「1、2…」と秒数を数えながら20秒(20回)行う。 イラスト/幸内あけみ

教えてくれた人……五島史行先生
東海大学医学部付属病院耳鼻咽喉科准教授。平衡神経学が専門で、長年、めまいの治療に携わっている。

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